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2019年11月25日

遺産相続は誰しもスムーズに行くものではなく、「遺言」や「贈与」によって左右されるケースがあります。
 
たとえば本来の法定相続人という立場であっても、状況によって遺産相続ができなくなる可能性があるのです。
 
このような問題が発生したときに検討したいのが「遺留分減殺請求」。すべての遺産を受け取ることは困難なものの、最低限の遺産は受けることが可能になります。
 
この記事では遺産分割における「遺留分減殺請求」について詳しく解説していきます。
 

「遺産分割の遺留分とは」

遺産分割の遺留分とはどのようなものか、認められるケースや認められないケースなどについて解説します。
 

「遺留分とは」

遺留分とは、法定相続人が受け取ることができる最低限の遺産取得分のことを指します。
 
民法が定める「法定相続人」は被相続人と密接な関係にある人です。つまり、被相続人との間柄がもっとも近い人ほど、多くの遺産を引き継ぐことができます。
 
しかし遺産分割は単純なものではなく、被相続人の意思も尊重する必要があり、遺言などで財産を処分できる自由もあります。すべての自由を認めてしまうと相続が難しくなることから、法律では一定の範囲の近しい相続人に限定するかたちで遺留分を認めています。
 

「認められるケース」

遺産分割による遺留分が認められるケースは、具体的に兄弟姉妹以外の法定相続人となります。
 
早い話が「配偶者」もしくは「子供」「親」が該当。なお、該当する人がいない場合は「代襲相続人」として、孫などにも遺留分が認められています。この場合、孫という立場であっても子供と同じ割合での遺留分が認めるようになっています。
 

「認められないケース」

遺産分割による遺留分が認められないケースは次のとおりです。
 
1)兄弟姉妹
兄弟姉妹が相続人になっているケースでは遺留分請求ができません。
 
2)相続を放棄した人
相続を放棄した人は遺留分請求ができません。なお、相続を放棄した人とは家庭裁判所にて相続放棄の申述をした人を指します。注意してほしいのは念書などで「相続しません」などの記述をした人ではないということです。
 
3)相続欠格者
相続欠格者は遺留分請求ができません。相続欠格者とは一定の事由により相続権を失った人を指します。具体的な相続欠格者は「民法891条」によって以下に該当する人と定められています。
 

・相続人が被相続人や同順位以上の相続人を殺害して有罪となった
・相続人が、被相続人の殺害を知っても刑事告訴しなかった
・相続人が被相続人に無理矢理遺言を書かせた、または訂正させた
・相続人が遺言を隠した、または処分した

 
4)相続人として排除された人
相続人として廃除された人は遺留分請求ができません。相続人の廃除は著しい非行などが発覚し、相続権を奪うことを意味します。
 

「遺留分減殺請求とは」

遺留分減殺請求について解説します。
 

「対象となる財産」

遺留分減殺請求の対象となる財産は「遺贈」と「死因贈与」「生前贈与」の3種類です。
 
1)遺贈
遺言から財産を分与すること
 
2)死因贈与
死亡によって財産を贈与する契約のこと
 
3)生存贈与
贈与者が生きている間に、財産を相続人予定者に贈与する契約のこと
 

「遺留分の割合」

遺留分の割合については次の表を参考にしてください。
 

 

相続人 相対的遺留分(全体の遺留分) 個別的遺留分(それぞれの相続人の遺留分)
配偶者 子供
配偶者のみ 2分の1 2分の1 なし なし
配偶者と子供 2分の1 4分の1 4分の1 なし
子供のみ 2分の1 なし 2分の1 なし
配偶者と親 2分の1 3分の1 なし 3分の1
親のみ 3分の1 なし なし 3分の1
配偶者と兄弟姉妹 2分の1 2分の1 なし なし

 
なお、遺産分割における遺留分の割合は、1028条により「直系尊属のみが法定相続人になる場合には3分の1、それ以外のケースでは2分の1」と定められています。
 

「時効に注意」

遺留分減殺請求には時効期間が設けられています。
 
期間は相続がスタートし、遺贈や贈与があったことを知った日から1年間となっているので、必ず期限内に請求しましょう。
 

「遺留分減殺請求の方法と手順」

・遺留分減殺請求の方法と手順について解説します。
 

「話し合い」

遺留分減殺請求を内容証明にて送付し、相手に届いたら具体的な話し合いを行います。
 
基本的に遺留分の返還方法は「分与された遺産そのものの返還」です。
 

「話し合いが進まない場合は「調停」へ」

話し合いをしたものの、トラブルが発生した場合は、家庭裁判所において「遺留分減殺調停」をする必要があります。
 
調停は委員が間に入ってくれるため、問題を解決できる可能性が高まります。
 

「調停でも解決できない場合は「遺留分減殺訴訟」」

遺留分減殺調停でも問題が解決しない場合は「遺留分減殺訴訟」をしなければなりません。
 
訴訟は地方裁判所にて双方が主張と立証を繰り返し、結審して判決が下される仕組みです。
 

「注意点」

遺留分減殺訴訟まで行くと、期間が長期化することを覚悟しましょう。
 
また、「物件そのものの返還」が基本であるため、それに該当しない場合はいかなる理由があっても認められません。
 
よって、話し合いで解決できるよう努めましょう。
 

「問題が解決しそうにない場合」

問題が解決しそうにない場合は、専門家の手を借りることをおすすめします。
 
遺留分減殺請求における悩みのすべてを解決してくれることでしょう。

代表プロフィール

税理士法人エール
永江将典

近畿税理士会所属。税理士法人エールの代表税理士を務める。
相続の申告をする方のストレスを減らしたいという思いで2012年で開業。

生前対策や相続税申告だけでなく、
遺言書・遺産分割協議書の作成や成年後見人、相続登記など、様々な相続事案に対応。
相続に関するすべてのことが解決できるサービスを提供している。

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