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2019年11月25日

財産を分割して相続するためには、最終的に「遺産分割協議書」の提出が必須になります。
 
遺産相続において協議は非常に重要で難しい部分でもありますが、遺産分割協議書を正しく書くという部分も重要なポイントのひとつです。
 
特に預貯金がある場合は書き方をマスターするだけでなく、銀行にて相続手続きに必要な書類を揃える必要があります。
 
この記事では、預貯金がある場合の遺産分割協議書の書き方などについて詳しく解説していきます。
 

「預貯金がある場合の遺産分割協議書の書き方とは」

 
預貯金がある場合の遺産分割協議書の書き方の一例を挙げ、手順を追って解説していきます。
 

「ひとつの預貯金を1人で相続する場合」

 
ひとつの預貯金を1人で相続する場合、遺産分割協議書の書き方は次のようになります。

なお1人で相続する場合、書面に残高の記載は必須ではありません(※上の画像では残高を記載していない形での書き方になります)。
 
1人でひとつの預貯金を相続する場合は非常にシンプルなので、特に難しいことはありません。
 

「ひとつの預貯金を複数人で分割する場合の書き方」

 
ひとつの預貯金を複数人で分割する場合、遺産分割協議書に記載すべき項目がいくつか加わります。特に重要となる記載項目は次の2点です。
 
1) 分割の内容
2) 分割の方法
 
分割の内容は相続人が取得する割合の明記です。例を出すと、「遺産について甲が10分の6、乙が10分の4の割合で取得する」といった記載が必要になります。
 
続いて分割の方法はやや複雑です。
 
銀行が相続人それぞれの口座に取得分を入金してくれるのであれば問題ありませんが、銀行によってはこれに対応していないところもあります。
 
この場合、代表相続人を定めることで解決します。銀行は預貯金のすべてを代表相続人に引き渡す形であれば対応できるので、その後代表相続人から他の相続人に分配する形になります。
 
なお、代表相続人を設定した場合の書き方としては次のようになります。

分割の内容で割合、そして代表相続人の設定が必要であればそれぞれを明記しましょう。
 

「1人が預貯金を相続して代償分割する場合の書き方」

 
1人が預貯金を相続し、その他相続人に対して代償分割する場合は、一般的に不動産など現物分割が難しい財産に対して行われます。
 
しかし、預貯金が多く占める場合でも行われるため、代償分割は負担がかかる代表相続人のための方法と言っても過言ではありません。
 
なお、代償分割を行う場合の遺産分割協議書の書き方としては以下のとおりです。

例えば、金融資産が多く銀行口座も複数の場合、代表相続人を設ける形で遺産分割を行うと、代表相続人が銀行口座ごとに相続者それぞれに対して分配する必要が出てきます。
 
しかし、代償分割を採用することによって代表相続人の負担を軽減できる可能性があります。
 
また、代償分割は税制上不利にならないので、遺産分割協議書にその旨を記載すれば問題なく分配できます。
 

「銀行での相続手続きに必要な書類とは」

 
銀行での相続手続きに必要な書類について解説します。
 

「遺言によって預貯金の相続人が決定している場合」

 
遺言によって預貯金の相続人が決定している場合(遺言執行者が専任されている場合)に必要な書類は以下のとおりです。
 

必要になる場合 入手先
戸籍謄本(被相続人の死亡が確認できる状態) 「法定相続情報一覧図」の写しがない場合は必須 本籍地の市区町村役場
遺言執行者の印鑑登録証明書 必須 住所地の市区町村役場
遺言執行者の実印 必須 自分
遺言書 「自筆証書遺言」もしくは「秘密証書遺言」の場合は必須 遺言者が保管した場所
検認済証明書 「自筆証書遺言」もしくは「秘密証書遺言」の場合は必須 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
遺言公正証書謄本 「公正証書遺言」の場合は必須 遺言が作成された公証役場
遺言執行者選任審判書謄本 審判によって遺言執行者が選任された場合は必須 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
相続に関する依頼書(※銀行によって名称に違いあり) 必須 銀行
印鑑届 名義変更の場合は必須(※払戻の場合は不要) 銀行
通帳・キャッシュカードなど 必須 自分

 

「遺産分割協議書がある場合」

 
遺産分割協議書がある場合に必要な書類は以下のとおりです。
 

必要になるケース 入手先
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本 法定相続情報一覧図の写しがない場合は必須 本籍地の市区町村役場
戸籍抄本もしくは戸籍謄本(※各相続人と被相続人との関係が確認できる状態) 法定相続情報一覧図の写しがなく、被相続人の戸籍謄本で被相続人との関係が確認できない場合は必須 本籍地の市区町村役場
相続人全員の印鑑登録証明書 必須 住所地の市区町村役場
手続者の実印 必須 自分
遺産分割協議書(相続人全員)の署名押印 必須(※実印のみ) 自分
相続放棄申述受理証明書 相続放棄をした人がいる場合は必須 被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
相続に関する依頼書(※銀行によって名称に違いあり) 必須 銀行
印鑑届 名義変更の場合は必須(※払戻の場合は不要) 銀行
通帳・キャッシュカードなど 必須 自分

 

「ケースによって必要書類は異なる」

 
必要書類はケースによって異なります。
 
上記はあくまで一例であり、他にも遺言執行者が専任されていないケース、遺産分割協議書がないケースなどで揃えるべき書類は変わってきます。
 
複雑で何を揃えるべきかわからない場合は、専門家への相談をおすすめします。
 

代表プロフィール

税理士法人エール
永江将典

近畿税理士会所属。税理士法人エールの代表税理士を務める。
相続の申告をする方のストレスを減らしたいという思いで2012年で開業。

生前対策や相続税申告だけでなく、
遺言書・遺産分割協議書の作成や成年後見人、相続登記など、様々な相続事案に対応。
相続に関するすべてのことが解決できるサービスを提供している。

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