任意後見契約書を自分で作って大変なことに。
任意後見契約というのは、もし親が認知症などで判断能力を失った時の備えです。
(怖い顔をしてすみません。とても大事なので。汗)
ここはまで大事だというのにはもちろん理由があります。
判断能力を失うという事は、
「ハンコを押せない」ということです。
例えば。
収益物件の売却できません。
大規模修繕できません。
株式の売却できません。
財産に手を加える事や、
手放す行動の全てができなくなります。
厳密には“できにくくなる”ですが。
法定後見人の設定が必要になり、多額の報酬が発生します。
親族の方を指名し、
公正証書で残しておくと良いでしょう。
ただし、契約書なので
内容はきちんと未来を予測し、
何を任せるのかを記しておく必要が有ります。
ここをあまり簡単に考え、
「作っておけばいいでしょ」
という感覚だと、後々大変なことになることも。
実際にあった話です。
―某月某日
セミナーで任意後見というのを作ると良いと知って、
講師に聞いたら公証役場で作れると
教えてくれたから作ったんだよ
父親がボケちゃって今82歳なんだが、
うちのマンションの事で
意味なかった事が分かったんだよ
この方は、
以前某企業主催のセミナーに参加された際に
後見制度について聞き、
自分で公証役場で作成をしたそうなんです。
後見契約には“法定後見”と“任意後見”というのがあります。
法定後見は、司法書士や弁護士といった第三者が財産を認知症などの
判断能力を失った方に変わり、管理・維持していくというもの。
その大前提は「財産を原則として減らさない」という事。
つまり、デパートでフカフカのコートが欲しいと言っても、
買ってはダメだと判断するんです。
認知症になったって、美味しいもの食べたい!
車いすでデパートに行けば、欲しいなと思う物を見つける事もあるでしょう。
生活に最低必要なもの以外はダメと言われてします。これが法定後見人です。
これを、家族に管理してもらうという契約が任意後見です。自分で任意に選ぶ後見。
だから、それなりに融通が利きます。
もっとメリットは沢山ありますが、ここでは控えます。
ただ、この任意後見は
“何を・誰に任せるのか”を書き記しておく必要が有るんです。
預金の管理、不動産の管理、などなど。
内容をじっくり読む私たち。
意味がなかったというマンションは収益物件ですか?
管理会社から修繕しないとダメだと言われとるが、
修繕できなくて困っとる。
任せるとありますよ?
親父の金はマンション建てた時
に頭金でかなり払ったし、
身の回りの事でもうほとんどない状態なんだ
ここで事の深刻さが分かった我々
そういう事ですね!!
片方売却しようとしたらできなかった
という事ですね…
売ろうとしたんだが不動産屋がダメだっていうんだ!
この方の問題は2点。
その①
財産のバランスを考えずに、不動産屋の提案に乗って不動産を2棟も建てたこと
その②
任意後見契約の項目に“ 処分 ”という項目を入れてなかった事。
助言などは頂いて作ってるわけでもない?
自分で作ったよ。
公証役場で聞いたら普通に作れたよ。
そりゃ作れますよね、そうゆう場所なんで。
確かに、司法書士に頼めば報酬を払わずに作れます。
ただ、結論から言うとこの方の場合、、、
スペシャルなアイデアなど皆無!!
もうどうしようもない。
維持管理に、“処分”は含まれない。
この方はどうすればよかったのか。
それは、司法書士にちゃんと
作成を依頼しておけばよかったんです。
司法書士なら必ず聞きます。
「処分する可能性はありますか」と。
今回の場合・・・
何とかお客様の借り入れなどで修繕できたとして、返済で手一杯でしょう。
お金はショートし、固定資産税が苦しくなっていくでしょう。
お金が尽き、返済もままならなくなるでしょう。
それでも不動産は売ることができないでしょう
だって任意後見契約書に“ 処分 ”て書いてないから!!!!
士業は処理や手続きの代行などの、便利屋的な行動力でご飯を食べてるわけではありません。
ノウハウと知識に対してお客様からお金を頂き、より良い明日を一緒に作っていく。
そのための30万だったのです。この方は、30万を節約できたのではなく、
士業から得られたはずの効果を得ず、守れたかもしれない明日を掴めなかった。
目先の30万をもったいないと思ったから。
任意後見や申告書は、士業に任せましょう。
自分でできるorできないは関係なく!
話だけでも聞きに行きましょう!
絶対に無駄ではないのだから。
以上