相続税に強い税理士エール相続税に強い税理士エール

無料相談
メニュー
私たちは地域活性化プロジェクトを応援しています。

2026年01月25日

認知症と財産管理の注意点|安全な管理方法と制度の選び方

相続税と認知症リスクを踏まえた財産管理では、「本人の判断能力が落ちても、お金の流れと生活・相続対策が止まらない仕組み」を事前に用意しておくことが最も重要です。

結論として、相続税の生前対策と認知症対策では、預金凍結や不動産が売れない事態を避けるために、任意後見・家族信託・成年後見といった制度の役割と限界を理解し、家族に合った安全な財産管理方法を組み合わせて整えることがポイントになります。

認知症になると、銀行口座の出金制限や不動産売却の困難化など「資産凍結」に近い状態が起こりやすくなり、その時点から新しい相続税対策を打つことはほぼ不可能になります。

一言で言うと、「認知症になった後に何とかしよう」ではなく、「なる前に財産管理の土台(任意後見・家族信託など)を作っておき、相続税対策も続けられるようにしておくこと」が、相続税の生前対策と認知症対策における財産管理の核心です。

この記事のポイント

  • 認知症になると、預貯金の大口出金や不動産売却が事実上できなくなり、施設費や相続税の納税資金の確保にも支障が出るケースが多いです。
  • 安全な財産管理の柱は、「成年後見制度」「任意後見契約」「家族信託」の3つで、それぞれ得意分野と限界が異なるため、目的に応じて組み合わせる設計が必要です。
  • 一言で言うと、「財産の保全だけを重視する成年後見」「生活全般の代理を担う任意後見」「柔軟な財産運用に強い家族信託」を理解し、相続税の生前対策と認知症対策にあった管理方法を選ぶことが、安全な財産管理の出発点です。

今日のおさらい:要点3つ

  • 認知症後は「口座・不動産・贈与」が止まり、相続税対策もほぼ止まる。本人の判断能力が低下すると、預金・不動産・相続税対策のすべてが”資産凍結”状態になりかねません。
  • 成年後見・任意後見・家族信託にはそれぞれ得意分野と限界がある。「成年後見で財産保護」「任意後見で生活・身上監護」「家族信託で柔軟な財産運用と相続対策継続」という役割分担を理解することが重要です。
  • お金の流れと生活を止めないために、複数制度を組み合わせて設計する。認知症になる前に「誰がどの制度でどの財産を管理するか」を決め、早めに体制を整えることが不可欠です。

この記事の結論

認知症と財産管理の最大の注意点は、「本人の判断能力が低下すると、相続税対策どころか日常の支払いにさえ支障が出る可能性がある」ことです。

安全な管理方法は、「財産全体の保護を図る成年後見」「生活・医療契約なども視野に入れた任意後見」「相続対策と財産運用に強い家族信託」を、家族の状況に合わせて選び・組み合わせることです。

結論として、相続税の生前対策と認知症対策における財産管理では、「認知症になる前に、誰が・何を・どの制度で管理するのか」を決め、家族信託と任意後見などを併用して”お金も生活も止まらない”体制を作ることが最も安全です。


認知症になると財産管理にどんなリスクがあるのか?

結論として、認知症になると「本人の意思を確認できない」と判断され、銀行や不動産会社が手続きを止めざるを得ない場面が増えます。

一言で言うと「資産があっても使えなくなる」

高齢の親が認知症になると、次のような問題が典型的に起こります。

預貯金の凍結・出金制限

大きな金額の引き出しや解約には本人確認と意思確認が必要なため、認知症が疑われると金融機関が対応を渋り、施設費や医療費の支払いに必要な資金をすぐ動かせないことがあります。

不動産の売却ができない

自宅を売って施設費に充てたい場合でも、所有者本人が契約内容を理解できない状態だと売買契約が成立せず、「家はあるのにお金がない」という状況になり得ます。

将来の相続(税)対策を講じられない

生前贈与や不動産の組み替えなどは、本人が内容を理解し同意することが前提のため、認知症が進むと新しい対策は原則として不可能になります。

一言で言うと、「資産があるのに動かせない=資産凍結」が、認知症と財産管理で最も大きなリスクです。


認知症リスクに備える財産管理の制度は何があるか?

結論として、認知症と財産管理に関わる主な制度は「法定後見(成年後見)」「任意後見」「家族信託」の3つで、それぞれできること・向いている場面が違います。

成年後見制度(法定後見)の特徴と注意点

一言で言うと、「すでに認知症になってしまった後の最後の安全弁」が成年後見制度です。

特徴

  • 家庭裁判所が成年後見人を選任し、後見人が本人の財産を厳格に管理する制度。
  • 預貯金の出金管理、不動産の管理・処分、税金・保険・年金の手続きなど広い範囲の代理が可能。

メリット

  • 本人の財産保護の観点では強力で、親族間の不正な持ち出しを防ぎやすい。
  • 認知症発症後でも利用開始できる。

デメリット

  • 財産は本人の生活・療養のために使う前提で、「相続税対策を目的とした生前贈与・不動産売却」は原則難しい。
  • 家庭裁判所への報告義務など、手続きとランニングコストがかかる。

相続税の生前対策という観点では、「資産を守る制度」として重要ですが、「節税を進める制度」ではない点を押さえておく必要があります。

任意後見契約の特徴と限界

任意後見は、「将来自分の判断能力が低下したとき、誰にどの範囲の代理権を与えるかを事前に決めておく契約」です。

特徴

  • 本人が元気なうちに任意後見人を指定し、公正証書で契約を結ぶ。
  • 実際に任意後見が始まるのは、本人の判断能力が低下し、家庭裁判所が監督人を付けてから。

メリット

  • 誰に任せるかを自分で決められ、生活費の支払い・介護契約・施設入居など生活面の代理にも対応しやすい。

デメリット

  • 実際に始まるのは認知症発症後であり、成年後見と同様に「積極的な相続税対策」には使いづらい。
  • 財産管理の自由度は家族信託よりも小さい。

一言で言うと、「生活と身の回りの契約の代理」を中心にカバーするのが任意後見の役割です。

家族信託の特徴と相続税対策上の位置づけ

家族信託は、「預貯金や不動産などの財産を信頼できる家族(受託者)に託し、契約に基づいて管理・運用・処分してもらう制度」です。

特徴

  • 本人が元気なうちに「誰に・どの財産を・どんな目的で預けるか」を信託契約で決める。
  • 契約時から財産管理を開始でき、本人が認知症になった後も、受託者が契約に従って売却や運用を行える。

メリット

  • 銀行口座や不動産を「信託用口座」「信託名義」に移すことで、認知症後も家族が柔軟に財産を動かせる。
  • 相続開始後に誰が受け継ぎ、誰が収益を受け取るかなど、承継の指定もできる。

デメリット

  • 認知症発症後は新しく信託契約を結んだり、財産を追加することができないため、「元気なうちにどこまで信託財産に入れるか」の設計が重要。
  • 信託契約書の設計を誤ると、家族間トラブルや税務リスクの原因にもなり得る。

相続税の観点では、「節税そのもの」ではなく、「認知症後も不動産の売却や賃貸経営、生前対策の継続を可能にする管理の器」として非常に有効です。


認知症と財産管理を安全に行うための考え方と組み合わせ方

結論として、安全な財産管理の鍵は、「家族信託でお金の流れを止めず、任意後見で生活面をカバーし、必要に応じて成年後見を補完する」という発想です。

一言で言うと「お金は信託、生活は後見で守る」

複数の専門家は、「家族信託+任意後見の併用」によって、認知症対策と財産管理をバランスよくカバーできると指摘しています。

家族信託

  • 不動産やまとまった預金を信託財産にし、受託者(子など)が契約に基づき売却・運用・支払いを行う。
  • 施設費・医療費・相続税納税用資金などを確保するためのお金の流れを止めない。

任意後見

  • 年金受取口座や日常の預金、信託外の財産について、生活費の支払い・介護契約・施設入所契約などをカバー。

成年後見

  • すでに認知症になってしまった後の安全弁として、必要なら利用する(ただし節税には期待し過ぎない)。

このように役割を分担させることで、「資産凍結」と「生活の停滞」を同時に防ぎやすくなります。

家族信託を使う際の具体的な注意点

家族信託は柔軟な一方で、次のような点に注意が必要です。

認知症発症後は新規契約・追加信託ができない

元気なうちに、今後の施設費・医療費・相続税などを見込んで、どれくらいの財産を信託に入れておくかを検討する。

信託口座の管理と報告ルールを明確にする

「何に使ってよいか」「年何回・誰に報告するか」を契約書に書いておくことで、受託者への不信感や誤解を防ぐ。

医療・介護の契約は別制度でカバーする

家族信託は財産管理に特化しており、身上監護(介護・医療契約など)はカバーしないため、任意後見などと組み合わせる必要がある。

一言で言うと、「信託は何でもできる魔法の制度ではなく、お金の管理に強い専用ツール」と理解することが大切です。


よくある質問

Q1:認知症になった親の銀行口座はすぐ凍結されますか?

A1:一括で「凍結」というより、大きな出金や解約に対して金融機関が慎重になり、実質的に自由に使えなくなるケースが多いです。

Q2:認知症対策として成年後見だけで十分ですか?

A2:財産保護には有効ですが、節税や柔軟な資産運用には向かないため、家族信託や任意後見と併用することが多いです。

Q3:家族信託は認知症になってからでも契約できますか?

A3:本人に意思能力が必要なため、認知症発症後は原則として新規契約や追加信託はできません。

Q4:任意後見と家族信託はどちらが優れていますか?

A4:どちらが上というより、任意後見は生活・身上監護向き、家族信託は財産運用・承継向きであり、目的に応じて併用するのが効果的です。

Q5:認知症対策として今すぐやるべき財産管理の準備は何ですか?

A5:資産の一覧作成、遺言書作成、将来任せたい家族の確認、家族信託と任意後見の必要性の検討が最低ラインです。

Q6:認知症になっても相続税対策はできますか?

A6:成年後見制度では本人の生活を優先するため、節税目的の贈与や不動産売却は難しく、基本的には「ほとんどできない」と考えるべきです。

Q7:家族信託は相続税を安くする制度ですか?

A7:直接税額を減らす制度ではなく、認知症後も不動産の売却や資産運用を続けられるようにする管理の仕組みで、結果として相続対策を実行しやすくします。


まとめ

認知症と財産管理の最大の注意点は、「本人の判断能力が低下すると、預金・不動産・相続税対策のすべてが”資産凍結”状態になりかねない」ことです。

安全な管理方法は、「成年後見で財産保護」「任意後見で生活・身上監護」「家族信託で柔軟な財産運用と相続対策継続」という役割分担を理解し、家族の状況に合わせて組み合わせることです。

結論として、相続税の生前対策と認知症対策における財産管理では、認知症になる前に「誰がどの制度でどの財産を管理するか」を決め、家族信託と任意後見などを活用して、お金と生活が止まらない体制を早めに整えることが不可欠です。

代表プロフィール

税理士法人エール名北会計代表税理士
石曽根祐司

税理士法人エール名北会計で、相続に寄り添えるサービスを考え
生前対策や相続税申告だけでなく
遺言書・遺産分割協議書の作成や成年後見人
相続登記など、様々な相続事案に対応

エール名北会計に頼めば
相続に関するすべてを解決できるサービスを提供している

この記事のトラックバック用URL

アーカイブ(2025年〜)

人気記事ランキング

2億円節税!節税のために大切なこと

生前対策ブログ

2億円節税!節税のために大切なこと

その贈与無効です!税務調査で1億円払った話

相続税申告の裏側

その贈与無効です!税務調査で1億円払った話

遺言捏造事件-財産は全部俺のものだ!

相続トラブルSOS

遺言捏造事件-財産は全部俺のものだ!