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相続税 申告 計算方法で間違いやすい点とFAQをまとめて解説
結論として、相続税の計算方法で一番多い失敗は「基礎控除・税率表・特例の使い方を誤ること」であり、正しいステップと注意点を押さえれば、ご自身でも大枠の税額イメージはつかめます。
この記事では、企業の専門家として、相続税の基本的な計算手順から、よくある勘違いポイント、特例適用時の落とし穴、そしてFAQまでを一気通貫で整理し、分かりやすく解説します。
【この記事のポイント】
相続税の計算は「正味の遺産額→課税遺産総額→相続税の総額→各人の納税額」という4ステップで進めるのが基本です。
間違いやすい点は「基礎控除額の計算」「税率表の当て方」「配偶者控除・小規模宅地等の特例の使い方」の3つです。
一言で言うと、「大まかな試算は自分でできるが、特例や複雑なケースは相続税専門の税理士にチェックしてもらう」のが最も安全です。
今日のおさらい:要点3つ
相続税の計算方法は、まず「基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)」で課税対象かどうかを判定します。
課税対象なら、課税遺産総額を法定相続分で按分し、税率表で相続税の総額を出したうえで、実際の取得割合と特例・税額控除で各人の納税額を求めます。
間違いやすいのは、配偶者控除・小規模宅地等の特例・二次相続の影響などの「戦略部分」であり、この部分は専門家のチェックを受けるべきです。
この記事の結論
一言で言うと、相続税の計算方法は「基礎控除→課税遺産総額→相続税の総額→各人の税額」の4段階で行い、特に基礎控除と特例の使い方で間違いやすい点に注意が必要です。
最も大事なのは、「税率表をそのまま遺産総額にかけない」「配偶者控除や小規模宅地等の特例を機械的に使わない」という2点であり、この2つを誤ると税額が数百万円単位で変わる可能性があります。
この記事全体の回答は次の4点です。
- 相続税の基本計算は、国税庁や専門サイトが示す標準ステップに沿って行うことで、誰でも大枠の税額イメージをつかめます。
- よくある間違いは「基礎控除の勘違い」「税率表の当て方ミス」「特例の適用条件の誤認」の3つであり、ここを丁寧にチェックする必要があります。
- 配偶者控除・小規模宅地等の特例は、一見税額が減る分「使うほど得」と思われがちですが、二次相続まで含めた試算をしないとトータルで損をするケースがあります。
- 結論として、「基本計算はご自身で、特例や分割パターンの検討は相続税専門の税理士と一緒に」という役割分担が、コストとリスクのバランスが最も良い方法です。
相続税 申告の計算方法の基本ステップは?(まず全体像を把握)
相続税の計算は「4ステップ」で整理するのが基本
結論として、相続税の計算は次の4ステップに分解して考えると、初心者でも流れを理解しやすくなります。
- ステップ1: 正味の遺産額(課税価格)を計算する
- ステップ2: 基礎控除を引いて課税遺産総額を求める
- ステップ3: 法定相続分どおりに分けたと仮定して、相続税の総額を計算する
- ステップ4: 実際の取得割合や特例・税額控除を反映して、各人の納税額を計算する
専門サイトでもほぼ同じ流れで解説されており、「正味の遺産額→課税遺産総額→相続税の総額→各人の納税額」という順番さえ押さえれば、計算方法に対する不安はかなり軽くなります。
ステップ1:正味の遺産額(課税価格)を計算する
結論として、最初にやるべきことは「相続財産の合計から借金や葬式費用などを差し引いて、正味の遺産額(課税価格)を出すこと」です。
ここでは、現金・預貯金・不動産・株式・保険金・死亡退職金など、「相続税の対象となる財産」をすべて洗い出し、相続税評価額で集計します。
一方で、住宅ローンや事業性借入金などの債務、葬儀費用などは控除できるため、これらを差し引いた後の金額が「正味の遺産額」となります。
初心者がまず押さえるべき点は、「相続税の評価額は時価とは異なる場合がある(特に不動産)」という点であり、この評価の仕方は専門家のサポートがあると安心です。
ステップ2:基礎控除を引いて課税遺産総額を求める
結論として、相続税がかかるかどうかは、「正味の遺産額」が基礎控除額を超えるかどうかで判断します。
基礎控除額の計算式は、次のとおりです。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
例えば、法定相続人が配偶者と子ども2人の計3人であれば、基礎控除額は3,000万円+600万円×3=4,800万円となります。
正味の遺産額が4,800万円以下なら相続税はかからず、申告義務も原則ありませんが、生命保険金や相続時精算課税贈与など一部例外があるため、境目に近いケースでは専門家の確認がおすすめです。
ステップ3:法定相続分で按分して「相続税の総額」を計算する
結論として、課税遺産総額が出たら、次は「法定相続分どおりに分けたと仮定して、相続税の総額を計算」します。
ここでの計算は、実際にどう分けるかではなく、「一定のルールで仮に分けた場合」の税額を求めるステップです。
手順は次のとおりです。
- 課税遺産総額に法定相続分を掛けて、各人の仮の取得額を出す。
- 仮の取得額に相続税の税率を掛け、控除額を差し引いて各人の仮の相続税額を求める。
- 仮の相続税額を合計し、「相続税の総額」を算出する。
税率表は、課税価格に応じて10%〜55%の累進構造になっており、金額が大きくなるほど税率が高くなります。
この段階で、税率の当て方や控除額の見落としがあると、相続税の総額が大きくズレてしまうため、慎重な確認が重要です。
ステップ4:実際の分割と特例・税額控除を反映して各人の納税額を計算
結論として、最後のステップでは、「相続税の総額」を実際の取得割合に応じて按分し、配偶者控除やその他の税額控除を適用して、各人の納税額を計算します。
代表的な計算式のイメージは次のとおりです。
各人の納税額 = 相続税の総額 × 実際の取得割合 − 各人の特例・税額控除
この段階で、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などを適用することで、最終的な税額が大きく変わります。
一言で言うと、「ここから先は相続税シミュレーションの世界」であり、分割パターンや特例の組み合わせ次第で、一次相続と二次相続のトータル税負担が大きく変わるため、専門家の試算が非常に有効です。
相続税 申告の計算方法で「間違いやすい点」はどこか?
最も大事なのは「基礎控除」と「課税対象の線引き」
結論として、計算方法で最初に間違えやすいのは、「そもそも相続税がかかるかどうか」を判断する基礎控除の部分です。
基礎控除の計算式を勘違いしたり、法定相続人の数を誤認したりすると、「本当は相続税がかからないのに申告してしまった」「逆に申告が必要なのに放置した」という重大なミスにつながります。
また、生命保険金や死亡退職金の一部には「みなし相続財産」として相続税の対象となるものがあり、一方で非課税枠も存在するため、この線引きを誤ると課税遺産総額の段階からズレが生じます。
初心者がまず押さえるべき点は、「相続税の対象となる財産の範囲」と「基礎控除額の正しい計算」の2つです。
税率表の当て方と控除額の引き忘れ
結論として、課税遺産総額を法定相続分で按分した後の「税率表の当て方」も、非常に間違えやすいポイントです。
相続税率表では、一定の金額ごとに税率と控除額が定められており、課税価格に応じて10%〜55%の税率を適用したうえで、対応する控除額を差し引きます。
よくある間違いとしては、次のようなものがあります。
- 税率は正しく当てているが、控除額を差し引き忘れている。
- 税率表の境目を勘違いし、本来より高い(あるいは低い)税率を使ってしまう。
- 税率表を「遺産総額」に直接当ててしまい、「法定相続分で按分する」というステップを飛ばしている。
これらは計算ミスとして修正できるケースも多いものの、自己判断だけでは気付きにくいため、税率表を使った段階で専門家のチェックを受けると安心です。
配偶者控除と小規模宅地等の特例の「使い方」を誤る
結論として、相続税額に最も大きな影響を与える特例が「配偶者の税額軽減」と「小規模宅地等の特例」であり、ここでの判断ミスが、数百万円〜数千万円単位の差を生むことがあります。
配偶者控除は、「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い額までは相続税がかからないという非常に強力な制度です。
一方で、小規模宅地等の特例は、自宅や事業用の土地などについて、一定面積までは評価額を大幅に減額できる制度であり、適用の有無で税額が大きく変わります。
間違いやすいのは、「一次相続で配偶者にほぼすべてを相続させて相続税をゼロにする」と、一見得をしたようでいて、二次相続のときに子どもに重い相続税がかかってしまうケースです。
一言で言うと、「配偶者控除や小規模宅地等の特例は、使えば使うほど良いわけではなく、一次・二次相続トータルで考える必要がある」ということです。
二次相続まで見据えた「トータル税負担」を見落とす
結論として、「今の相続税を減らすことだけ」に目が行き、二次相続(配偶者が亡くなったとき)までのトータル税負担を見落とすのも、非常に多い誤りです。
税理士事務所の具体例でも、一次相続と二次相続のパターンを比較し、「一次で税額を抑えすぎると、二次で大きく増えてトータルでは損をする」ケースが紹介されています。
例えば、自宅土地をすべて配偶者が相続して特例をフル活用した場合と、一部を子が相続して小規模宅地等の特例を子側で使う場合とで、一次・二次相続を通算した税額が変わることがあります。
このように、計算方法そのものよりも、「どのパターンで計算するか」という戦略面での検討が、実は相続税対策の核心となります。
よくある質問(一問一答)
相続税の計算方法はどのようなステップですか?
正味の遺産額を出し、基礎控除で課税遺産総額を求め、法定相続分で按分して相続税の総額を算出し、最後に実際の取得割合と特例を反映して各人の税額を計算します。
相続税の基礎控除はいくらですか?
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で、正味の遺産額がこの金額以下なら原則として相続税はかかりません。
税率表はどう使えばいいですか?
課税遺産総額を法定相続分で按分した各人の仮の取得額に対して税率表を適用し、対応する控除額を差し引いたうえで、その合計を「相続税の総額」として用います。
「遺産総額に直接税率を掛ける」のは間違いですか?
はい、相続税は遺産総額に直接税率を掛けるのではなく、課税遺産総額を法定相続分で按分した仮の取得額ごとに税率表を適用する仕組みです。
配偶者の相続税はどこまで非課税になりますか?
配偶者は「1億6,000万円」と「法定相続分相当額」のいずれか多い方までは相続税がかからないため、一次相続では配偶者に多く相続させると税額を抑えやすくなります。
小規模宅地等の特例とは何ですか?
自宅や事業用の土地などについて、一定面積まで評価額を大幅に減額できる制度で、適用の有無で相続税額が大きく変わりますが、要件や配分によっては二次相続に影響するため慎重な検討が必要です。
相続税は自分で計算して申告しても大丈夫ですか?
基本的な計算は自分でも可能ですが、特例・控除・二次相続まで含めた最適な分割パターンの検討は複雑なため、専門の税理士に試算と申告書チェックを依頼するのが安全です。
おおよその相続税額だけ知りたい場合はどうすればいいですか?
遺産総額・相続人の数・配偶者の有無などを入力するだけで概算税額を試算できる無料のオンラインシミュレーションツールを利用すると、短時間で大まかな目安を把握できます。
まとめ
相続税の計算方法は「正味の遺産額→基礎控除→相続税の総額→各人の納税額」という4ステップで整理すると、初心者でも全体像を理解しやすくなります。
間違いやすいのは「基礎控除額の勘違い」「税率表の当て方」「配偶者控除・小規模宅地等の特例の使い方」であり、ここを丁寧に確認することが重要です。
配偶者控除や小規模宅地等の特例は非常に強力ですが、一次相続だけでなく二次相続まで含めてトータル税負担を比較しないと、結果として損をするケースがあります。
自分で大まかな相続税額を試算したうえで、特例や分割パターンの検討・最終的な申告書作成は、相続税専門の税理士と一緒に進める体制が、リスクとコストのバランスが最も良いと言えます。
結論として、「相続税の計算方法そのものはステップどおりに進めれば難しくないが、特例と分割の戦略を誤らないために専門家のサポートを活用するべき」です。









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