目次
相続税 申告 土地評価の見方と代表的な評価方法の違いを分かりやすく説明
相続税の申告で土地評価を行うときは、「路線価方式」と「倍率方式」という2つの評価方法の違いと、路線価図・倍率表の基本的な見方を押さえることが最重要です。
この記事のポイント
相続税の土地評価は、国税庁が公表する「路線価」または「倍率」を使って行い、評価方法の違いで相続税額が大きく変わる可能性があります。
路線価方式は「路線価×補正率×地積」、倍率方式は「固定資産税評価額×倍率」で求めるのが基本形で、どちらを使うかは土地の所在エリアで決まります。
一言で言うと、「市街地の宅地は路線価方式」「路線価がない地域は倍率方式」と覚え、国税庁の路線価図・評価倍率表の見方を理解することが、土地評価のスタートラインです。
今日のおさらい:要点3つ
相続税の土地評価額は、実勢価格ではなく、相続税評価基準(路線価・倍率)に基づく「評価額」で決まり、相続税の計算の土台になります。
路線価方式は「道路ごとに決められた1㎡あたりの価格」をもとに、形状や奥行などを補正して評価額を計算します。
倍率方式は「固定資産税評価額×地域ごと・地目ごとの倍率」で評価する方法で、倍率地域や路線価のない郊外・農地などで使われます。
この記事の結論
結論:相続税における土地評価は、路線価方式と倍率方式という2つの評価方法を正しく選び、路線価図や評価倍率表の見方を理解したうえで、「路線価(または倍率)×面積×各種補正」で評価額を求めるべきです。
一言で言うと、「市街地は路線価、郊外は倍率」という前提を押さえ、「自分の土地がどちらで評価されるのか」を最初に確認することが最も大事です。
初心者がまず押さえるべき点は、「路線価図で該当する道路の路線価を探す方法」「倍率表で自分の市区町村と地目の倍率を確認する方法」の2つです。
相続税評価額は、実勢価格より低くなるよう水準が設定されている一方、形状・間口・奥行などの補正により、同じ面積でも評価額が大きく変わることがあります。
土地評価は評価方法や補正の選択を誤ると税額が大きく変動するため、概略の見方を理解しつつ、最終的な評価は相続税に強い専門家にチェックしてもらうことが安全です。
相続税 土地評価の基本は?まず押さえるべき「評価額」の考え方と見方
結論からお伝えすると、相続税で土地を評価する際の「評価額」とは、市場の売買価格そのものではなく、国税庁の定める基準(路線価・倍率)に基づいて計算された相続税評価額を指します。
理由は、土地の実勢価格は取引条件や時期によって変動が大きいため、課税の公平性を保つために、全国一律のルールとして路線価や倍率を用いた評価方法が採用されているからです。
例えば、実勢価格を10とすると、相続税評価額はおおむね8、固定資産税評価額は7程度の水準になるように設定されているといわれており、この差を利用した相続税対策や遺産分割が検討されることもあります。
土地評価で使う2つの基本ツール:路線価図と評価倍率表
一言で言うと、「土地評価の出発点は、路線価図か倍率表のどちらを見るかを決めること」です。
路線価図: 国税庁が毎年公表する、道路ごとに1㎡あたりの相続税評価額を示した地図。
評価倍率表: 路線価が付されていない地域について、固定資産税評価額に掛ける倍率を市区町村・地目ごとに示した表。
国税庁の「財産評価基準書」から、住所や地番に応じて対象地域の路線価図・倍率表を確認するのが基本的な流れです。
路線価方式とは?路線価×補正率×地積が基本
結論として、路線価方式は「道路ごとに決まった1㎡あたりの路線価×土地の面積×各種補正率」で評価額を求める方法です。
国税庁の解説では、路線価方式による宅地の評価は、評価対象地が接している道路の路線価を基礎とし、間口・奥行・形状・角地などの条件を反映した補正率を乗じて、1㎡あたりの価額を算定し、それに地積を乗じて評価額を求めるとされています。
例えば、路線価が1㎡あたり20万円、補正率0.95、地積300㎡の土地であれば、「20万円×0.95×300㎡=5,700万円」という形で評価額を出すイメージです。
倍率方式とは?固定資産税評価額×倍率で評価
一言で言うと、倍率方式は「固定資産税評価額に倍率を乗じて相続税評価額を求める方法」です。
国税庁の解説では、路線価が定められていない地域の土地については、固定資産税評価額に地域・地目ごとに定められた倍率を乗じて評価するとされています。
例えば、宅地の固定資産税評価額が1,000万円、倍率1.1の地域であれば、「1,000万円×1.1=1,100万円」が相続税評価額となるイメージです。
市街地・郊外で評価方法はどう変わる?
市街地・住宅密集地: 多くの場合、路線価が設定されているため路線価方式を使用。
郊外・農村部・路線価のない地域: 倍率方式を使うことが一般的。
初心者がまず押さえるべき点は、「自分の土地の所在地が路線価地域か倍率地域か」を、国税庁の路線価図・評価倍率表で確認することです。
事例で見る:評価方法の違いが税額に与えるインパクト
例えば、実勢価格5,000万円程度の土地でも、路線価方式で細かな補正を行った結果、評価額が4,000万円台に収まるケースと、倍率方式で一律倍率をかけた結果、評価額が5,000万円近くになるケースがあります。
評価額の差が数百万円〜数千万円になると、相続税額も大きく変わるため、「どの方法でどう評価するか」が相続税戦略の重要なポイントになります。
相続税 土地評価の代表的な評価方法は?路線価方式・倍率方式・その他の違い
結論として、相続税の土地評価の代表的な方法は「路線価方式」と「倍率方式」の2つであり、用途や地目によっては「宅地比準方式」などその他の評価方法も使われます。
理由は、土地の所在や利用状況によって、路線価や倍率といった指標が用意されているものといないものがあり、評価の公平性と実務の効率性を両立するために複数の方式が用意されているからです。
例えば、住宅地の宅地は路線価方式、郊外の宅地は倍率方式、農地や山林などは宅地比準方式など、性質に応じて評価方法が使い分けられます。
路線価方式の特徴とメリット・注意点
一言で言うと、路線価方式は「道路ごとに細かく設定された価格を使うため、土地の個別性を比較的反映しやすい」評価方法です。
主な特徴は次の通りです。
- 国税庁の路線価図で、対象地が接する道路の路線価(1㎡あたりの価格)を確認する。
- 路線価に、奥行価格補正率・間口狭小補正率・不整形地補正率などの画地補正率を乗じて、1㎡あたりの評価額を算出する。
- それに地積(面積)を掛けて土地の相続税評価額を求める。
メリットは、道路条件や形状などによる価値の差をある程度反映できる点であり、一方で、補正の種類が多く、専門的な判断が必要になるため、評価ミスが生じやすいという注意点もあります。
倍率方式の特徴とメリット・注意点
結論として、倍率方式は「固定資産税評価額に倍率を掛けるだけ」というシンプルさが最大の特徴です。
主な特徴は次の通りです。
- 路線価が設定されていない地域(倍率地域)の土地に適用。
- 固定資産税評価額(市区町村の評価)に、国税庁が定める倍率(地目・地域ごと)を乗じて評価額を求める。
- 計算式が単純で、路線価方式よりも評価手順が分かりやすい。
一方で、個別の形状や間口などが評価に反映されにくく、実勢価格との乖離が生じるケースもあるため、特殊な形状の土地などでは専門家による再検討が必要になる場合もあります。
宅地比準方式など、その他の評価方法の概要
一言で言うと、「農地や山林など宅地以外の土地は、宅地に換算した価値をもとに評価する方法」が使われることがあります。
例えば、宅地比準方式では、当該土地を宅地と仮定した場合の1㎡あたりの価格から宅地造成費を差し引き、地積を掛けて評価額を求めるという考え方が用いられます。
農地・山林・雑種地などの評価は、路線価・倍率と組み合わせながら、用途や現況に応じた方法を選ぶ必要があるため、実務では税理士や不動産に詳しい専門家が評価に関与することが多い領域です。
路線価方式と倍率方式の違いを整理した表
| 評価方法 | 主な対象地域・地目 | 計算の基本式 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 路線価方式 | 市街地・住宅地の宅地など | 路線価×補正率×地積 | 個別性を反映しやすいが、補正が多く専門性が高い |
| 倍率方式 | 路線価のない倍率地域の宅地・農地など | 固定資産税評価額×倍率 | 計算が簡易で分かりやすいが、個別事情が反映されにくい |
| 宅地比準方式等 | 農地・山林など宅地以外 | 宅地価格-造成費×地積など | 宅地との比較で評価、用途に応じた専門的判断が必要 |
事例で見る:路線価方式・倍率方式の評価イメージ
事例1:名古屋市内の住宅地にある自宅土地 → 国税庁の路線価図で接道の路線価を確認し、奥行価格補正・間口補正などを検討したうえで「路線価×補正率×地積」で評価。
事例2:郊外の農村部にある祖父の土地 → 路線価図に路線価がないため評価倍率表を確認し、「固定資産税評価額×倍率」で評価。
事例3:農地や山林を相続したケース → 地目に応じて宅地比準方式などを検討し、宅地としての想定価値から造成費等を差し引いて評価額を算定。
土地評価の選択と補正の有無で評価額が変わるため、税務上の安全性だけでなく、遺産分割や将来の売却も見据えた総合的な判断が欠かせません。
よくある質問
相続税で土地の評価額はどのように決まりますか?
国税庁の路線価または倍率を基準に、路線価方式か倍率方式で評価額を算定します。
路線価方式と倍率方式はどう使い分けるのですか?
路線価が付されている市街地などは路線価方式、路線価がない倍率地域などは倍率方式で評価します。
路線価の見方が分かりません。どこを見ればよいですか?
国税庁の路線価図で、土地が接する道路に記載された1㎡あたりの価格(千円単位)を確認します。
倍率方式における倍率はどこで確認できますか?
国税庁が公表する評価倍率表で、市区町村名と地目を選んで倍率を確認します。
相続税の土地評価額は実勢価格と同じですか?
一般に実勢価格より低い水準で設定されており、実勢10:相続税評価8:固定資産税評価7といった関係が目安とされています。
自分で路線価を見て土地評価を計算してもよいですか?
概算なら可能ですが、補正や例外が多く税額への影響も大きいため、最終的な評価は専門家に確認してもらうのが安全です。
土地が複数の道路に面している場合はどう評価しますか?
原則として主たる路線価を基準にしつつ、角地補正などの画地調整を行う必要があり、専門的な判断が必要です。
農地や山林はどのように評価されますか?
用途や地域に応じて倍率方式や宅地比準方式などを用い、宅地としての価値や造成費を考慮して評価します。
名古屋周辺の土地も路線価方式で評価されますか?
名古屋市内の多くの住宅地・商業地には路線価が設定されており、通常は路線価方式で評価します。
まとめ
相続税における土地評価は、国税庁の路線価図・評価倍率表をもとに、「路線価方式」と「倍率方式」を適切に選んで行うことが出発点です。
路線価方式は「路線価×補正率×地積」、倍率方式は「固定資産税評価額×倍率」が基本式であり、どちらを使うかは土地の所在エリア(路線価地域か倍率地域か)で決まります。
土地評価額は実勢価格とは異なる税務上の評価額であり、形状・間口・奥行・利用用途などの要素によって大きく変動するため、評価方法と補正の選択が相続税額に直結します。
概算レベルでは路線価図や倍率表を用いて自分で把握することも可能ですが、正確な申告と税務リスクの回避のためには、相続税に強い専門家の土地評価とチェックを受けることが望ましいです。
相続税の土地評価は「評価方法の違い」と「路線価・倍率の見方」を理解したうえで、早めに専門家に相談し、最適な評価と相続税対策につなげることが最も確実な対応です。









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