相続税の支払いの目途が立たない、土地を処分しなくては・・・という言葉を聞き、相続とはそれほど大変なのかと驚かれることでしょう。実際に相続税の支払いのために財産を処分したり、破産などという事態も起こりうるのでしょうか?
目次
相続税の支払いは何が大変?
相続税の支払いで一番大変な点といえば、期間内に現金で支払らわなくてはいけない点でしょう。
相続とは突然起こるものです。
日ごろから、相続を念頭に置き、相続税対策をしている方は少ないことでしょう。
場合によっては、縁戚の相続が生じたり、祖父母からの贈与が生じたりと自身の想定外の相続が生じることもあります。
特に、相続の内容が、土地や不動産であった場合や株券であった場合には、相続税の支払いの為に、まとまった現金を用意しなくてはいけないのですから大変な事態です。
土地や不動産を現金化するためには、相続人同士の話し合いを終え、所有者の名義変更を行い、そのうえで売却となります。
相続税の支払い期限が決まっているので、その間に売却をとなると、売値に関しても多少の妥協が必要にもなることでしょう。
このように、期限内にまとまった現金を用意しなくてはいけないという点が、相続における大変さなのです。
相続税の未納はどうなるの?
相続税を期限内に支払わず、未納の場合、もちろん延滞金の発生や督促などの措置が講じられます。また度重なる督促にも応じずに、延滞を行っている場合には、最終的には、財産の差し押さえなどの処分を受ける場合もあります。
もし、相続税の支払いが難しい場合には、期限内に税務署へ相談をし、分納などの措置で対応してもらえるように調整をしましょう。
もし、差し押さえになってしまうと、その財産に関する価値が自身にとってゼロになってしまいます。
ですが、売値の妥協はしたとしても、売却であれば多少なりとも手元に利益が残ることでしょう。
ですから、相続税の支払いが難しい場合は必ず専門家へ相談をしましょう。
相続税で破産するの?
実際に相続税の支払いが原因で破産したという話は、とても大げさなたとえ話といえるでしょう。
相続税の支払いの為に、自身の貯金をすべて充当しなければならないほどであったということです。
ですが、相続税は、相続をした財産の評価額に応じて課税されますから、それほど高額な相続税を支払ったということであれば、それなりの財産を相続したということになるでしょう。
自身の貯金はすべて使い果たしてしまったが、相続により新たな財産をきづくことが出来ているので、破産とまではいかないでしょう。
ですが、非常に稀な事例ではありますが、相続税とは、相続人全員が完納して初めて終わるのです。
数人の相続人のうち、1名だけでも相続税を支払わないままでいることで、他の相続人たちも未納として処罰を受ける仕組みです。
自身が相続した分の相続税は、自身の貯金ですべて納付したものの、他の相続人が負担すべき相続税までは支払えないこともあるでしょう。場合によっては、未納となっている相続人とその後連絡が途絶えてしまったなどということも。
そのような場合、自身の相続した財産を処分して、相続税を工面しなくてはならず、結果的には、手元に残る相続財産がゼロとなる場合もあるでしょう。
このような場合、破産という事態になるかねませんから、大げさともいえないのかもしれません。
相続税対策とは?
では、専門家に相談をしたり、土地の評価額を調べたりとしたうえで、相続税を支払い、債務を整理し、葬儀などの費用もすべて支払った場合、さほど遺産が残らないような場合、何か有効な策はあるのでしょうか?
それは、相続する財産自体を少なくしてしまうのです。
財産の一部を寄付するなどの方法で、財産総額を減らし、相続税を無理なく工面できる額で相続をします。
相続税には、一定の非課税枠がありますので、非課税枠に収まるほどまでに財産を小さくしてしまう方法もあります。
この時に、処分や現金化に困ることが目に見えるような不動産や土地を最優先にと考えるとよいでしょう。
一例としては、自身の居住地からあまりにも遠く離れた場所にある土地や不動産は、今後転居の予定もなく、管理もできないだろうという理由から、寄付や処分の対象となる場合が多く見られます。
都心部に若い世代が移住してしまい、田舎に残された実家の土地、家屋をそのまま保存しておくと、相続税はもちろんのこと、相続後は固定資産税も生じますので、長い目でみてそのような判断をくだされるのでしょう。
寄付をした財産に関しは、寄付をする団体が国の定める非課税条件に該当している場合、受け取り手側にも負担の無い形で、寄付をすることが出来るので、相続税対策としては、一番スムーズでしょう。
また、相続人同士の話合いで、相続希望者が居ない財産に関しては、親しい間柄の人や遠い親戚に相続をしてもらうことも可能です。この場合、相続税ではなく、贈与税が生じますが、贈与税を支払っても手元に財産が残る上に、有効に活用してもらえるのならとこのような方法もいいでしょう。
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