少し特殊な事案ですが、
入会権という権利があって、
村とか集落全体で山林を保有管理している
状態、権利を入会権といいます。
入会権は登記できないので、
村や集落の代表者の名前で所有権登記をするのですが、
明治生まれの人たち5人が
代表者となって共有登記されていた山林がありました。
時を経ち、
この登記を現在の村の代表者5人に
名義変更したかったのですが、
そのためには明治生まれの代表者5人
(50年以上前に亡くなっている。)
の相続人全員から同意書をとるか、
裁判をして判決で移転登記をするしかありませんでした。
所在不明の人も多数いたため、
交渉による同意書の取得は難しいと状況です。
そこで、約500人を相手に裁判をすることに。
実際には訴状を提出してから
裁判所と事前の打ち合わせを1年以上行い、
最初の第一回の裁判が開かれたのが
約1年半後。
当事者の名前だけを記載している
ページだけで20ページ以上になりました。
登記は、ついつい後回しにしてしまう事例をよく見ます。
自宅の土地・建物が亡くなった父のまま、
息子の相続も発生してしまい名義変更が大変
(相続人全員の同意が必要なため)
というケースは時々遭遇します。
中には、名義変更で時間がかかるために、
相続税を払うため泣く泣く他の土地を
急いで売らざるを得ず安値で手放したという話もよくあります。
名義変更されていない相続財産が見つかったら、
すぐに専門家に相談してくださいね。