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2019年04月24日

相続登記をすることになったのなら、かかる費用についても押さえておきましょう。ここでは相続登記にかかる費用を実費のほか、司法書士に依頼した場合の手数料について解説します。司法書士にお願いすると高額なお金がかかってしまうのでは…と心配している方も多いですが、詳しくみていきましょう。

相続登記にはどのような費用がかかる?

費用について知るためには、そもそも相続とは何なのかからしっかり理解しておかなければなりません。これは、それまで土地や建物といった不動産を所有していた方が亡くなり、それを相続する際に行なう所有権の移転手続きです。

名義を変更する作業のことですね。不動産などの財産を持っている方が亡くなり、死亡届を出したとしてもそれだけで勝手に妻や息子に不動産の名義が変更されるわけではありません。
相続登記をしっかり行なっておかないと、国に対して不動産の所有者が変わったことが証明できないため、きちんと行ないましょう。

相続登記にかかる金額についてご紹介していきます。

ちなみに、財産の所有者が亡くなったらいつまでに相続登記をしなければならないのか?というと、特に相続登記の期限は定められていません。
注意しなければならないのが、相続登記をする際に誰か特定の人に不動産の所有権が移ると、親族間で揉め事が起こったり、話し合いがスムーズに進まなくなることがあるということ。

話し合いには時間がかかってしまうこともあるので、できるだけ相続登記の問題には早めに着手し、時間をかけて全員が納得できるような結果を出せると良いですね。

相続登記の実費詳細

まず、自分で相続登記をする際にかかる費用についてみていきましょう。

登録免許税

不動産を相続登記すると登録免許税がかかります。相続した場合にかかる費用は固定資産評価額の0.4%。
つまり、6,000万円の評価額である不動産を相続する場合、24万円の登録免許税が発生することになるわけですね。

登録免許税は国に支払う税金の一つであるため、司法書士などの専門家に依頼したとしても必ず発生します。

具体的な金額を計算するためには、まずは相続する不動産の固定資産評価額がいくらなのかを調べなければなりません。

固定資産評価額の調べ方

役所から春頃に届く固定資産税の納税通知書を確認する方法が最も簡単です。
この中には課税明細書が、同封されているので、固定資産評価額の項目を確認しましょう。

ただ、相続時に必要になったなどの理由で春に納税通知書が届くのを待てないのなら、取得のための手続きをしなければなりません。
取得方法は、窓口のほか、郵送で取得することができるので、最適なほうを選択してくださいね。

窓口は、各市区町村の役場のほか、駅にある証明書発行コーナーなどでも発行することが可能です。

固定資産評価証明等請求書に必要な情報を記載して提出しましょう。この際に本人確認ができる身分証明書が必要となり、第3者が請求する場合には委任状を用意しなければなりません。

固定資産評価証明書を取得する際には、1通あたり350~400円程度の手数料がかかるので、これも費用の一つとして押さえておきましょう。

各種書類の発行費用

相続登記では他にも様々な種類が必要になります。具体的に必要になる書類と取得のためにかかる金額は次の通りです。

  • 固定資産評価証明書の交付手数料:1通400円
  • 改製原戸籍謄本・除籍謄本:1通750円
  • 戸籍謄本:1通450円
  • 登記事項証明書:1通600円
  • 住民票:1通300円
  • 印鑑証明書:1通300円

地域によっても細かい金額は変わってくることがあるので、自分の地域の金額についてチェックしてみましょう。といっても大きく変わることはないので、上記のものを目安にしてみてくださいね。

自分ですべて行なったとしてもここでご紹介した費用のほか、先述の登録免許税がかかります。

司法書士に依頼した場合の相続登記費用

自分で行なうのではなく、司法書士に依頼することにした場合は一般的に6万円前後の手数料がかかると考えておきましょう。

ただ、具体的な金額は各司法書士事務所によっても異なってくるので、見積もりをとってみなければわかりません。ここで相続の所有権移転登記を依頼した場合にどれくらいの費用がかかるのか、各地域の平均についてアンケートを取ったものがあるので、ご紹介しましょう。

前提として、法定相続人は3名、そのうちの1人が遺産分割協議により単独相続した場合を仮定して金額を算出しています。

  低額者10%の平均 全体の平均値 高額者10%の平均
北海道地区 27,813円 49,751円 70,800円
東北地区 27,816円 51,467円 85,158円
関東地区 31,646円 59,210円 105,515円
中部地区 36,008円 60,428円 107,949円
近畿地区 29,557円 67,034円 119,200円
中国地区 34,908円 55,149円 82,500円
四国地区 38,500円 61,064円 101,667円
九州地区 36,732円 55,089円 83,274円

引用元:日本司法書士会連合会
https://www.shiho-shoshi.or.jp/html/smart/consulting/pdf/questionnaire.pdf

司法書士に依頼する際に料金が変動することがある

平均値についてご紹介しましたが、この金額をはるかにオーバーしてしまうことがあります。例えば、相続を受け取る人数がかなり多いようなケースでは別途手数料が発生するので、注意しておかなければなりません。
司法書士の行なう業務が多くなればなるほど費用は高くなります。

他にも、不動産の種類が多く、作業が増えるようなケースでは加算される形になっていくので、具体的にどれくらいの費用がかかるのかについては事前に良く確認しておきたいですね。

費用について確認したいこと

司法書士に依頼しようと考えているのなら、しっかりと確認しておかなければならないのが費用の問題です。まずは、見積もりを依頼してみましょう。複数の司法書士に依頼したほうが自分にとってびったりのところがどこなのかわかります。

ただ、注意が必要なのが他に比べてあまりにも安い見積もりを提示してくる事務所です。
安いなりの理由が書かれている可能性もあるので、料金が安い理由についてもしっかりと確認しておかなければなりません。

また、司法書士に依頼すると料金が高くなると思われがちですが、先述した通り司法書士報酬の相場は6万円前後となっているので、6万円で専門的なアドバイスがもらえたり、書類の作成などを行なってもらうのが高いとみるか、妥当と見るかは人それぞれです。

見積もりを受け取った際に30万円ほどの請求が来て、相場と違うと驚いてしまう方もいますが、これには自分で手続きをした場合にも発生する登録免許税が含まれているはずなので、司法書士の保証だけで極端に費用が高くなっているわけではありません。

総合的にかかる費用についてもよく確認しておきましょう。

自分の場合は専門家に依頼したほうが良い?

相続登記は、必ずしも専門家に依頼しなければできないというわけではありません。
実際に多くの方が必要な手順や書類を調べ、自分自身で手続きを行なっているのです。

しかし、中には司法書士など専門家に依頼したほうが良い方もいます。その判断基準についてみていきましょう。

不動産の種類はどれくらい?

相続する不動産の種類が多い場合、全く専門的な知識のない素人が1つずつ手続きを行なっていくのはなかなか面倒です。例えば、不動産は土地と建物に分けられるわけですが、建物の構造なども把握した上で相続登記の手続きをしていかなければならず、手続きが完了するまでにかなり時間がかかってしまうことも珍しくありません。

また、相続登記を行なう前に不動産の数にも注目しておきましょう。亡くなった方が複数の地域に不動産を構えているようなケースでは、それぞれの地域を管轄している法務局や登記所といったところとやりとりをしなければなりません。

相続登記のためとはいえ1つずつ足を運ぶのはなかなか難しいことなので、ほとんどの場合は郵送やインターネットを通して手続きをしていくことになるでしょう。
この時計、専門的な知識がないと具体的なやり方がわからずに悩んでしまったり、手続きの遅れに繋がってしまうこともあります。

このようなケースでは専門家に依頼したほうがスムーズに進むでしょう。手続きに時間がかかったり、面倒な作業をすることになっても特に問題がない方なら良いのですが、できるだけ早めに手続きを終わらせたいと考えているような方は専門家に耐えることも検討してみるのがおすすめです。

不動産を共有するか?

不動産を相続するのが1人のみという形であれば、それほど面倒な手続きにはなりません。
しかし、複数人で同一の不動産の所有権を共有する形で相続するのなら、専門家に依頼したほうが良いでしょう。

特にトラブルになりがちなのが、相続する人たちの仲があまりよくないというケースです。専門家を介さずに自分たちで相続内容を決めたり相続登記をするとあとから何かトラブルが発生した時に家族間のもめ事に繋がってしまうことも珍しくありません。

事前にしっかりとした取り決めを行ない、それを登記しておけばトラブル発生時もその内容に基づいた形で問題を解決していけるでしょう。

極力費用を抑えるために自分たちで対応したものの、トラブルに繋がってしまったということも珍しくないので、不安なことがある方や、確実な手続きを進めたい方は専門家に依頼してみてくださいね。

相続時に関する費用は重要な問題

相続をする際にいくらかかるのかに関してはとても大切なことなので、行き当たりばったりで進めてしまうのではなく、事前にかかる費用などについてよく理解した上で手続きを進めていくことが大切です。
各書類を入手する際にも取得のためのお金がかかりますし、相続する不動産の数や価値によって支払わなければならない登録免許税なども変わるので、ご紹介した内容を参考に費用について再度確認してみましょう。

代表プロフィール

税理士法人エール
永江将典

近畿税理士会所属。税理士法人エールの代表税理士を務める。
相続の申告をする方のストレスを減らしたいという思いで2012年で開業。

生前対策や相続税申告だけでなく、
遺言書・遺産分割協議書の作成や成年後見人、相続登記など、様々な相続事案に対応。
相続に関するすべてのことが解決できるサービスを提供している。

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