故人との思い出に形見分けを受けとる場合があります。過去には、形見分けとして衣類を受け取ったことが理由で、相続放棄を認めてもらえなかったという事例もあります。
本人にとっては、形見分けのつもりが法的には相続にあたるとなれば、思いもよらぬ結果に納得がいかないことでしょう。
では、そもそも形見分けと相続の違いとはどのようなものなのでしょうか?
目次
形見分けとは?
故人との想いでを偲べるようにと、親しい間柄の人間に故人の形見の品を分ける事をいいます。多くの場合、故人が身に着けていたものや、仕事で使っていたもの、趣味の品などが多いでしょう。
ですが、形見分けも厳密には、相続や贈与といえなくもありません。
昔から続く慣例も、今の核家族化が進む社会では通用しないケースがあるのでしょう。
相続や贈与になる場合とは
原則として、形見分けの品の価値が110万円を超える場合には、気持ちの上では形見分けのつもりでも、相続や贈与となります。
法定相続人が受け取れば相続となり、相続人以外の人物が受け取る場合や孫などが受け取る場合には贈与となり、贈与税の課税対象となります。
形見分けですから、現金で110万円を受け取ることはなくとも、腕時計、宝石、絵画などはこの類といえるでしょう。
この場合、形見分け自体を断り、別の品を受け取るか、贈与税を支払うかを相談してみるとよいでしょう。
知らずに受け取って
- 形見分けと相続の違い
- 相続や贈与になる場合
- 形見分けの品の価値が110万円を超える場合相続や贈与