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2018年03月04日

“相続税の計算方法は、遺産の価額から基礎控除額を差し引いた課税価額に税率を乗じ、その金額から各種税額控除を差し引いて求めます。この時に注意しなければいけない事の一つに、税額の2割加算があります。これは相続や遺贈によって財産を取得した者、あるいは相続時精算課税によって生前贈与を受けた者が、亡くなった被相続人の配偶者または一親等以外の者である時に、その者が負担する相続税が2割加算される制度を言います。ここで言う一親等の者とは、被相続人の両親、養子を含む子どもを指し、祖父母や孫、兄弟姉妹、甥や姪は一親等以外の者となります。そのため、例えば遺言によって孫に遺産を渡した場合、取得した財産の価額が実子の法定相続人と同じ額であっても、孫の方が税額が高くなりますので注意して下さい。

また、孫や兄弟姉妹、甥や姪が被相続人の養子となっているケースでも注意が必要です。この場合、これらの者は民法上、被相続人の実子と同じ扱いとなるため、法定相続分の遺産を取得する事ができます。相続税でも基礎控除額やみなし相続財産の非課税枠の計算では法定相続人となりますが、2割加算においては実子と同じ扱いとはならず、加算対象となります。ただし、相続までに孫や甥、姪の親(被相続人の子どもや兄弟姉妹)が死亡している時、相続欠格事由に該当する時、あるいは相続人から廃除されている時など相続権を喪失して代襲相続が生じる時は、それらの者は代襲相続人として実子と同じ扱いとなるため、2割加算の対象とはなりません。

さらに養子が生前贈与を受けて相続時精算課税を選択し、その後に養子縁組を解消して遺贈やみなし相続財産を取得するケースがあります。この場合、まずその者の相続税の課税対象となる相続財産に占める養子であった期間に受けた贈与財産の価額の割合を、2割加算する前の税額に乗じて加算されない税額を算出します。そして算出した税額を加算前の税額から差し引いた税額が加算の対象となります。例えば、生前贈与で1,000万円、養子縁組を解消した後に3,000万円の遺贈を受け、税額が400万円だった場合、生前贈与の価額の1,000万円を生前贈与の価額に遺贈を受けた財産の価額を加算した4,000万円で割ります。そしてその割合(0.25)を400万円に乗じて算出した100万円は加算の対象外となり、400万円から100万円を差し引いた300万円が加算対象となるため、相続税の合計は100万円に360万円を加算した460万円となります。

代表プロフィール

税理士法人エール
永江将典

近畿税理士会所属。税理士法人エールの代表税理士を務める。
相続の申告をする方のストレスを減らしたいという思いで2012年で開業。

生前対策や相続税申告だけでなく、
遺言書・遺産分割協議書の作成や成年後見人、相続登記など、様々な相続事案に対応。
相続に関するすべてのことが解決できるサービスを提供している。

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