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2025年12月31日

目次

相続登記は自分でできる?費用・リスクと専門家に依頼すべきケースを解説

節約のつもりが損にならないよう、リスクを具体的に説明します

相続登記は「自分でもできる手続き」ですが、結論としては、費用だけで判断すると後から損をするリスクが高いため、登記や相続税に不安がある方は専門家のサポートを前提に検討することをおすすめします。

一言で言うと、相続登記を自分で行えば司法書士報酬や一部の税理士報酬を節約できますが、書類不足や評価ミスによる「見えない損失」が発生しやすい点が最大のリスクです。

【この記事のポイント】

  • 相続登記は法律上、自分で申請しても構いませんが、必要書類と手順が多く、途中でつまずきやすい手続きです。
  • 自分で対応した場合、司法書士報酬(5〜15万円前後)の節約は可能ですが、その代わりに時間的コストやミスによる追加費用のリスクが増えます。
  • 相続税申告も自分でできますが、申告ミスによる過少申告加算税や過大な納税など、将来的な損失の方が大きくなるケースも珍しくありません。

今日のおさらい:要点3つ

  1. 「登記は自分でできるか」より「自分でやるべき状況かどうか」を判断することが最も大事です。
  2. 司法書士報酬や税理士報酬は費用ですが、ミスによる二重手続きや追徴課税は「損失」であり、節約額を超えることがあります。
  3. 迷う場合は、自分で一部を行い、リスクの高い部分だけ専門家に任せる「ハイブリッド型」が現実的な選択肢です。

この記事の結論

  • 相続登記は自分で行うことも可能ですが、必要書類と手続きが多く、登記漏れや記載ミスのリスクがあります。
  • 自分で行う最大のメリットは司法書士報酬を節約できる点で、5〜15万円前後のコスト削減が期待できます。
  • 一方で、相続税申告を含めて自分だけで対応すると、評価・計算・期限管理をすべて自分で背負うことになり、税務調査や追徴課税のリスクが高まります。
  • 結論として、相続財産や不動産がシンプルなケースだけ自分で対応し、それ以外は専門家と分担する判断が費用対効果の高い選び方です。

登記と相続税の費用を自分でやると何が起きる?

結論として、登記と相続税を「全部自分でやる」と、支出は減りますが、時間と精神的負担、ミスによる追加コストが大きくなりやすくなります。

自分で相続登記をする費用とメリット

一言で言うと、自分で相続登記をする最大のメリットは、司法書士報酬を節約できる点です。

相続登記を自分で行う場合、必要なのは「登録免許税」「戸籍・住民票などの書類代」「法務局までの交通費」などの実費だけで、総額は数万〜10万円前後に収まるケースが多いとされています。

例えば、固定資産税評価額2,000万円の不動産1件なら登録免許税は約8万円になり、これに書類代などを足しても、司法書士報酬5〜15万円前後が不要になる分、トータルでは抑えられるイメージです。

自分で相続登記をする場合の費用内訳

費用項目 金額の目安
登録免許税 固定資産税評価額×0.4%
戸籍謄本・除籍謄本 1通450〜750円
住民票・戸籍の附票 1通200〜400円
固定資産評価証明書 1通200〜400円
登記事項証明書 1通480〜600円
郵送費・交通費 数百〜数千円
合計(税込) 数万〜10万円程度

なお、2024年4月から相続登記が義務化されており、正当な理由なく3年以内に登記を行わない場合は10万円以下の過料の対象となるため、放置することで思わぬ出費が発生するリスクもあります。

自分で相続税申告まで行うメリットと負担

相続税申告を自分で行えば、税理士報酬(30〜100万円前後)が節約できるため、特に財産規模が大きいほど節約効果は大きくなります。

一方で、相続税申告では財産の評価・債務の把握・特例の適用可否・申告書の作成など、多数の専門的な判断が必要になり、時間的コストと精神的負担が相当大きくなります。

遺産総額が少なく、相続人が1人だけのようなシンプルなケースを除けば、自分一人での申告は「節約した以上のリスク」を抱えることになりやすい点は押さえておくべきです。

相続税申告で必要な主な作業

作業内容 難易度 注意点
財産の洗い出し 預貯金・不動産・有価証券・生命保険など漏れなく把握
不動産の評価 路線価方式・倍率方式の使い分けが必要
小規模宅地等の特例判定 適用要件が複雑で判断ミスが起きやすい
債務・葬式費用の控除 控除対象の範囲を正確に把握する必要あり
申告書の作成 第1表〜第15表まで複数の様式を作成
期限管理 被相続人の死亡を知った日から10か月以内

相続税の申告期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税が発生し、本来の税額に5〜20%の加算税が上乗せされる可能性があります。

登記と相続税を自分で行うときの典型ケース

初心者がまず押さえるべき点は、「どこまでなら自分で対応しやすいか」を具体的なケースでイメージすることです。

例えば、不動産が自宅1件のみで、相続人が配偶者1人というケースでは、登記も相続税も比較的シンプルなため、自分で手続きできる可能性が高いといえます。

反対に、不動産が複数、相続人が兄弟姉妹にまたがり、特例や小規模宅地の適用が関係する場合は、専門家と分担しないと、節税の取りこぼしや相続人間のトラブルに発展しやすくなります。

自分で対応しやすいケース・難しいケースの比較

項目 自分で対応しやすい 専門家に依頼すべき
不動産の数 自宅1件のみ 複数物件・収益不動産あり
相続人の数 1〜2人 3人以上・代襲相続あり
相続人の関係 配偶者・子のみ 兄弟姉妹・前妻の子あり
遺産分割 法定相続どおり 協議が必要・争いあり
相続税 基礎控除以下 申告が必要・特例適用
土地の評価 整形地・一般的な住宅地 不整形地・広大地・借地権あり

相続税と登記費用を自分でできるか判断する3つの視点

結論として、「手続きの複雑さ」「金額規模」「家族関係」の3つの視点で、自分で対応できるかどうかを判断するのが現実的です。

手続きの複雑さから見る「自分でできるか」

一言で言うと、必要書類やステップが多いほど自分で行う難易度は高くなります。

相続登記だけでも、戸籍一式の収集、相続人の確定、遺産分割協議書の作成、登記申請書の作成、法務局への申請と、少なくとも6〜7ステップが必要とされます。

これに相続税申告のための財産評価や申告書の作成まで加えると、平日仕事をしながら1人で完結させるのは負担が大きく、途中で手続きが止まってしまうケースもあります。

相続登記の手続きステップ

  1. 被相続人の出生から死亡までの戸籍一式を収集
  2. 相続人全員の現在戸籍・住民票を取得
  3. 相続人の確定と法定相続分の計算
  4. 遺産分割協議書の作成と相続人全員の署名・実印押印
  5. 固定資産評価証明書の取得
  6. 登記申請書の作成
  7. 法務局への申請・補正対応・完了確認

戸籍の収集だけでも、被相続人が転籍を繰り返している場合や、古い改製原戸籍を取り寄せる必要がある場合は、複数の市区町村役場に請求が必要となり、1〜2か月かかることも珍しくありません。

金額規模と節約効果のバランス

最も大事なのは、「節約できる報酬」と「間違えたときの損失」を比較することです。

例えば、司法書士報酬が10万円・税理士報酬が50万円かかる見積もりだったとしても、相続税や将来の不動産売却で数百万円単位の差がつく可能性があるなら、短期的な報酬より長期的な損失の方が重くなります。

「節約できるのは一度限りの報酬」「失う可能性があるのは何年も影響する税金や資産」という視点で見ると、特に財産規模が大きいほど専門家に依頼する価値が高まります。

専門家報酬と潜在的損失の比較

項目 金額の目安
司法書士報酬(登記) 5〜15万円
税理士報酬(相続税申告) 30〜100万円
過少申告加算税 本税の10〜15%
延滞税 年2.4〜8.7%程度
小規模宅地特例の適用漏れ 数百万〜数千万円の差
土地評価の誤り 数十万〜数百万円の差

特に小規模宅地等の特例は、適用できれば土地の評価額を最大80%減額できる強力な節税手段ですが、適用要件が複雑なため、自己判断で見落としたり誤って適用したりするリスクがあります。

家族関係・相続人間の状況

相続登記や相続税申告では、相続人全員の合意や署名押印が必要になる場面が多く、「誰が中心となって手続きを進めるか」がトラブルの火種になることがあります。

一言で言うと、相続人同士の関係が微妙なときや、遠方に住んでいて連絡が取りにくい人がいる場合は、中立的な立場の専門家が間に入ることで、感情的なもつれを避けられる可能性が高くなります。

家族内の負担感を公平にするという意味でも、「代表者+専門家」という形で進めた方が、長期的に見て円満な解決につながりやすいパターンが多いです。

専門家が間に入るメリット

  • 相続人間の感情的対立を緩和できる
  • 手続きの進行状況を全員に公平に共有できる
  • 法的に正確な説明により誤解を防げる
  • 遺産分割協議がまとまりやすくなる
  • 後日の「言った・言わない」トラブルを防げる

相続は「争族」になりやすいと言われますが、専門家が客観的な立場から関わることで、家族関係を壊さずに手続きを完了できる可能性が高まります。

自分で手続きする場合の具体的な進め方

自分で相続登記や相続税申告を行うと決めた場合、効率よく進めるためのポイントを押さえておくことが重要です。

相続登記を自分で行う手順

ステップ1:必要書類の収集

まず、以下の書類を集めることから始めます。

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍
  • 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
  • 相続人全員の現在戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票
  • 固定資産評価証明書
  • 相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書を作成する場合)

ステップ2:相続関係説明図の作成

収集した戸籍をもとに、被相続人と相続人の関係を図にまとめます。この図は登記申請時に添付することで、戸籍の原本還付を受けることができます。

ステップ3:遺産分割協議書の作成

法定相続分どおりに分割しない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行い、協議書を作成します。協議書には相続人全員が署名し、実印を押印する必要があります。

ステップ4:登記申請書の作成と提出

法務局のホームページからダウンロードできる様式を使い、登記申請書を作成します。記載内容に不備があると補正を求められるため、法務局の登記相談を利用して事前にチェックを受けることをおすすめします。

相続税申告を自分で行う場合のポイント

基礎控除の確認

相続税には基礎控除があり、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。遺産総額がこの金額以下であれば、相続税の申告は不要です。

法定相続人の数 基礎控除額
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円
4人 5,400万円

財産評価の基本

  • 預貯金:死亡日時点の残高+経過利息
  • 上場株式:死亡日・月平均・前月平均・前々月平均の最低値
  • 土地:路線価方式または倍率方式で評価
  • 建物:固定資産税評価額
  • 生命保険金:受取金額−(500万円×法定相続人の数)

国税庁の申告書作成コーナーの活用

国税庁のホームページには、相続税の申告書を作成できる「相続税の申告書作成コーナー」があります。画面の案内に従って入力していくことで、計算ミスを減らすことができます。

よくある質問

Q1. 相続登記の手続きは自分でできますか?

自分で行うことは可能ですが、必要書類が多く手順も複雑なため、時間と手間がかかる点に注意が必要です。

Q2. 自分で相続登記をした場合の費用はいくらですか?

登録免許税と書類取得費などの実費のみで、数万〜10万円前後に収まるケースが多いとされています。

Q3. 司法書士に相続登記を依頼した場合の費用相場は?

報酬は案件により異なりますが、5〜15万円前後が多く、これに登録免許税などの実費が加わります。

Q4. 相続税申告も自分でできますか?

自分で申告することもできますが、計算や評価が複雑なため、誤りによる追徴課税や過大な納税のリスクがあります。

Q5. 自分で相続税申告をするメリットは何ですか?

税理士報酬(30〜100万円前後)を節約できる点が最大のメリットで、特に遺産総額が小さい場合に有効です。

Q6. 自分で手続きするリスクは具体的に何がありますか?

登記漏れや書類不備による手続きやり直し、相続税の過少申告や過大申告による金銭的な損失などが挙げられます。

Q7. どのようなケースなら自分で相続登記しても良いですか?

不動産が自宅1件のみで、相続人が1人など、財産関係や家族関係がシンプルな場合は自分で対応しやすいです。

Q8. 専門家に依頼した方が良いのはどんなときですか?

不動産が複数ある場合や、相続人同士の関係が複雑な場合、相続税が発生しそうな場合は専門家への依頼が適しています。

Q9. 自分で手続きしつつ一部だけ専門家に任せることは可能ですか?

相続登記の一部や相続税の申告書チェックだけを依頼するなど、部分的にサポートを受ける形も選択できます。

Q10. まず何から始めれば良いですか?

相続登記と相続税の有無を確認し、簡単な無料相談で「自分でできる範囲」と「専門家に任せる部分」を切り分けるのがおすすめです。

Q11. 相続登記の義務化とは何ですか?

2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請を行う必要があります。正当な理由なく期限を過ぎると、10万円以下の過料が科される可能性があります。

Q12. 相続登記をしないとどうなりますか?

過料のリスクに加え、不動産の売却や担保設定ができない、次の相続が発生すると権利関係がさらに複雑になる、などのデメリットがあります。

Q13. 法務局の登記相談は無料で利用できますか?

はい、法務局では無料で登記相談を受け付けています。事前予約制の場合が多いため、最寄りの法務局に確認することをおすすめします。

Q14. 相続税の申告期限はいつまでですか?

被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。期限を過ぎると延滞税や加算税が発生する可能性があります。

Q15. 配偶者の税額軽減とは何ですか?

配偶者が相続した財産のうち、法定相続分または1億6,000万円のいずれか大きい金額までは相続税がかからない特例です。ただし、適用を受けるには申告が必要です。

まとめ

  • 相続登記と相続税申告は、自分で行うことも可能ですが、必要書類や手続きが多く、ミスによる損失リスクが高い手続きです。
  • 自分で行う場合、司法書士や税理士の報酬を節約できますが、節約額以上の税負担や追加手続きが発生する可能性がある点は見落とせません。
  • 結論として、財産と家族関係がシンプルなケースだけに絞り、それ以外は専門家と分担する形が、節約と安心を両立しやすい選択肢です。
  • 2024年4月からの相続登記義務化により、放置することのリスクも高まっているため、早めの対応が重要です。
  • 迷った場合は、まず無料相談を活用して「自分でできる範囲」と「専門家に任せる部分」を明確にすることから始めましょう。

代表プロフィール

税理士法人エール名北会計代表税理士
石曽根祐司

税理士法人エール名北会計で、相続に寄り添えるサービスを考え
生前対策や相続税申告だけでなく
遺言書・遺産分割協議書の作成や成年後見人
相続登記など、様々な相続事案に対応

エール名北会計に頼めば
相続に関するすべてを解決できるサービスを提供している

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