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2026年01月05日

目次

保険見直しと相続対策のセット活用|加入目的・保障額・保険期間の確認を解説

非課税枠・納税資金・争族防止の3つを意識した設計方法

相続対策で保険を活用するなら、「加入目的・保障額・保険期間」を相続全体の設計とセットで見直すことが最も重要です。保険は相続税の節税ツールというより「誰に・いくら・いつのためのお金か」をデザインする装置であり、非課税枠・納税資金・争族防止の3つを意識して組み立てる必要があります。

この記事のポイント

  • 相続対策と保険のセット活用で最も大事なのは、「何のために」「誰のために」保険を使うのか(加入目的)を明確にし、相続全体の設計に組み込むことです。
  • 生命保険の死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、納税資金や代償分割に活用することで、相続税の負担軽減と争族防止を同時に狙えます。
  • 保険を見直す際は、保障額と保険期間が現在の家族構成と資産状況に合っているかをチェックし、終身保険・定期保険のバランスを相続対策の観点から再設計することが重要です。

今日のおさらい:要点3つ

  • 相続対策で保険を使うときのポイントは、「非課税枠の活用」「納税資金の確保」「遺産分割(代償分割・遺留分対策)の円滑化」の3つです。
  • 加入中の保険は、「加入目的」「必要な保障額」「いつまで保障が必要か」を1本ずつ棚卸しし、相続が起きた時点でちょうど役割を果たす設計になっているかを確認する必要があります。
  • 保険見直しは単なる節約ではなく、「相続のシナリオに合ったお金の出口を作り直す作業」として行うのが失敗しないコツです。

この記事の結論

  • 相続対策と保険のセット活用では、「加入目的・保障額・保険期間」の3つを相続全体の設計と一緒に見直すことが必須です。
  • 生命保険には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、死亡保険金を納税資金や代償分割に使うことで、相続税と争族リスクを同時に抑えられます。
  • 最も大事なのは、終身保険など長期の保障を「相続発生まで生きている前提」で設計し、定期保険は教育費・住宅ローンなどライフステージ別の保障に限定することです。

相続対策と保険をセットで考えると、何が変わるのか?

保険を相続対策で使う意味とは?

生命保険を相続対策で使う意味は「①税金を抑える ②分けやすいお金を増やす ③すぐ使える現金を確保する」の3つに集約されます。

  • 税金面:死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の相続税非課税枠があり、この範囲内の保険金には相続税がかかりません。
  • 分割面:保険金は受取人固有の財産として支払われ、受取人を指定できるため、「自宅は長男に、保険金で次男に現金を」といったバランス調整がしやすくなります。
  • 資金面:死亡保険金は通常、比較的早く支払われるため、葬儀費用や相続税・預金凍結期間の生活費など「すぐに必要なお金」を準備する手段として優れています。

「保険は相続の最後にきれいに着地させるための”現金スイッチ”」というイメージを持つと分かりやすくなります。

生命保険の相続税非課税枠の基本

  • 死亡保険金のうち、相続人が受け取る部分については「500万円×法定相続人の数」まで相続税が非課税となります。
  • たとえば法定相続人が配偶者・長男・長女の3人なら、非課税枠は1,500万円(500万円×3人)です。
  • この枠は「保険会社ごと」ではなく「一つの相続全体」で共通の上限であり、複数の生命保険の合計に対して適用されます。

相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)と合わせると、「保険金だけで非課税ゾーンを作る」のか、「他の資産と組み合わせて税負担を均す」のかという設計が可能です。

代表的な活用パターン(事例イメージ)

自宅偏重の相続

自宅不動産しか大きな財産がない場合、長男が自宅を相続し、次男には現金で代償金を払う必要があります。この代償金を準備するために、長男を受取人とした死亡保険に加入しておき、保険金から次男へ現金を渡す設計が有効です。

納税資金の準備

相続税が発生しそうだが、資産の多くが不動産や自社株で現金が少ないケースでは、生命保険を「納税資金の確保」と位置づけ、法定相続人を受取人として契約します。

このように、保険は「税額を下げる」「払うための現金を作る」「分けるためのお金を作る」という三役を1つでこなせる点が強みです。

保険見直しと相続対策をセットで行うとき、どこから見直すべきか?

1. 加入目的を相続の視点で整理する

保険見直しの一番の出発点は「その保険は、今も当初の目的どおり必要か」を相続の視点も含めて問い直すことです。

よくある加入目的は次の通りです。

  • 家族の生活保障(子どもが小さい時期の収入保障)
  • 住宅ローン・教育費など特定期間のリスク対応
  • 老後資金・貯蓄・資産形成
  • 相続税対策・納税資金確保・争族防止

時間が経つにつれ、子どもの自立・ローン完済・資産状況の変化により、必要な目的は変わっていきます。「子育て期の保険」と「相続対策の保険」は別物として考えるべきです。

2. 保障額は今の家族と資産に合っているか?

  • 保険の見直しポイントの2つ目は、保障金額が現在の家族構成・資産規模・相続税見込みに対して過不足がないかを確認することです。
  • 若い世代では残りの生活期間が長く、必要保障額は大きくなりがちですが、年齢を重ねると子どもが自立し、貯蓄も増えるため、死亡保障を減額しても問題ないケースが増えます。
  • 相続対策としては、「予想される相続税額」「想定される代償金の額」「残したい生活費」を参考に、必要な死亡保障額を算定していきます。

たとえば、相続税の試算で2,000万円の納税必要額が見込まれるなら、そのうち非課税枠内の保険1,500万円と、超過分として課税される保険500万円をどう組み合わせるか、といった設計が考えられます。

3. 保険期間は「相続発生タイミング」に合っているか?

「相続対策に使いたい保険は、相続が起きたときに契約が切れていては意味がない」というのが重要なポイントです。

  • 定期保険:10年・20年など一定期間だけ保障する保険で、更新時に保険料が大きく上がることがあります。
  • 終身保険:一生涯保障が続く保険で、相続対策・葬儀費用・遺族の生活資金の準備に向いているとされています。

相続の主要な目的が「死亡時の非課税枠活用」「納税資金確保」である場合、終身保険を中心に設計するのが基本です。一方、「一定期間のローン返済リスク対策」は定期保険でカバーするなど、目的と期間を切り分けて考える必要があります。

保険と相続対策を組み合わせる具体的な3つの活用パターン

パターン1:非課税枠を使って税負担を軽くする

最も分かりやすい活用は「500万円×法定相続人の数」の非課税枠を最大限使う設計です。

  • 法定相続人が3人なら、死亡保険金1,500万円までは相続税がかからないため、この範囲内で保険金額を設定すれば、税負担を軽くしながら現金を残せます。
  • 相続財産が少なく、主な財産が保険金というケースでは、保険金が非課税枠の範囲内に収まれば、相続税ゼロも実現可能です。

「非課税枠の外側に大きな保険金を積み上げない」ことが、余分な相続税と保険料の両方を抑えるコツです。

パターン2:納税資金を生命保険で用意する

  • 不動産や自社株が多く、現金が少ない家では、相続税の納税資金に困るケースが少なくありません。
  • この場合、法定相続人を受取人とした終身保険で、想定される納税額に近い死亡保険金を準備しておくと、換金の難しい不動産や株を手放さずに納税できます。

具体例として、不動産オーナーが相続税2,000万円を見込んで1,500万円の保険を契約すると、非課税枠1,500万円をフル活用しつつ、残り500万円を手元の現金や物納で補う、といった設計が考えられます。

パターン3:代償分割・遺留分対策として活用する

「相続争いになりやすい場面に、保険で『現金の潤滑油』を差し込む」イメージです。

  • 自宅を同居の長男が相続し、別居の次男には現金を渡したい場合、長男を受取人とした死亡保険金から次男に代償金を支払うことで、不動産を売らずにバランスを取れます。
  • 遺言で特定の子に多めの財産を残す場合、「遺留分(一定の取り分)」を侵害すると争いになりやすいため、その補填として他の子を受取人とする保険を用意する方法もあります。

このように、保険金を「宛名付きのお金」として指定することで、感情的な対立を和らげる効果が期待できます。

よくある質問(Q&A)

Q1. 相続対策で生命保険を使うメリットは何ですか?

相続税の非課税枠を利用できること、受取人を指定して分割を調整できること、納税資金をすぐに用意できることの3点が大きなメリットです。

Q2. 死亡保険金の非課税枠はいくらですか?

相続人が受け取る死亡保険金については、「500万円×法定相続人の数」までは相続税がかからず、この枠を超えた部分のみが課税対象になります。

Q3. 相続対策には終身保険と定期保険のどちらが向いていますか?

相続発生まで保障を維持する必要があるため、原則として一生涯保障の終身保険が向いており、定期保険は教育費やローンなど期間限定の保障向きです。

Q4. 保険を見直すタイミングはいつが良いですか?

結婚・出産・住宅購入・子どもの独立・退職・親の介護開始など、ライフステージが変わるタイミングで、加入目的・保障額・保険期間をまとめて見直すのが適切です。

Q5. 保険の保障額はどうやって決めればよいですか?

家族の生活費・教育費・住宅ローン残高・予測される相続税額などを踏まえて、必要な金額を試算し、非課税枠の範囲を意識しながら過不足がない水準に設定します。

Q6. 保険金を使って相続トラブルを防ぐことはできますか?

自宅を継ぐ人以外に保険金を渡してバランスを取る、遺留分対策として別の子を受取人にするなど、「宛名付きの現金」として活用することで争いを和らげやすくなります。

Q7. 相続対策で保険に入り過ぎるリスクはありますか?

非課税枠を大きく超える高額な保険は保険料負担が重く、相続税もかかるため、老後資金や生活資金を圧迫するリスクがあり、必要額を慎重に見極める必要があります。

まとめ

  • 相続対策と保険のセット活用では、「加入目的」「保障額」「保険期間」の3つを、家族構成と資産状況・相続税見込みに合わせて再設計することが不可欠です。
  • 生命保険の死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、納税資金準備や代償分割・遺留分対策として活用すれば、税負担と争族リスクを同時に抑えられます。
  • 「相続対策で保険を使うときは、保険単体ではなく相続全体のシナリオの中で、必要な目的・額・期間にピッタリ合わせて見直すこと」が成功の鍵です。

代表プロフィール

税理士法人エール名北会計代表税理士
石曽根祐司

税理士法人エール名北会計で、相続に寄り添えるサービスを考え
生前対策や相続税申告だけでなく
遺言書・遺産分割協議書の作成や成年後見人
相続登記など、様々な相続事案に対応

エール名北会計に頼めば
相続に関するすべてを解決できるサービスを提供している

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