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相続税の申告漏れに気づいたときの対処法|修正申告の手順とペナルティを最小限にするコツ
相続税の申告漏れが発覚したときの結論は、「気づいたらすぐに事実関係を整理し、修正申告と追加納付で”自発的に”対応することが、追徴課税や税務調査リスクを最小限に抑える最善の応急対応」です。「放置はNG・早期対応が最大の防御」であり、内容が複雑な場合は相続税専門税理士にすぐ相談することがトラブル対策の出発点になります。
【この記事のポイント】
- 相続税の申告漏れが発覚した場合、基本の対処は「修正申告書の提出」と「不足していた相続税の納付」であり、これを後回しにすると延滞税・過少申告加算税・重加算税などのペナルティが加算されるリスクが高まります。
- 応急対応の最優先は「事実関係の整理→修正申告の要否判断→自主的な修正申告(または更正の請求)の検討」であり、税務署からの税務調査や通知が来る前に動けるかどうかで、追徴課税の重さが大きく変わります。
- 相続税の申告漏れのトラブル対策としては、「もともとの申告のどこが漏れたのか」「他にも同様の漏れがないか」「相続人間の情報共有と合意」「税務調査への備え」をセットで見直すことが重要です。
今日のおさらい:要点3つ
- 申告漏れが発覚したら、「修正申告書の提出」と「不足分の相続税の納付」が基本対応であり、先延ばしにすると延滞税や加算税が増えるだけなので、早めの動きが最も大事です。
- 「税務署に指摘される前に自分から動けばペナルティは軽く、指摘されてから動くとペナルティが重くなりやすい」という構図であり、申告漏れに気づいた時点が”最も安く済むタイミング”です。
- トラブル対策としては、「どの財産が漏れていたか」「他に漏れがないか」「申告書の評価や特例に誤りがないか」を総点検し、相続税専門税理士と一緒に”二重三重のミス”を防ぐことが重要です。
この記事の結論
相続税の申告漏れが発覚したら、「速やかに修正申告書を作成・提出し、不足分の相続税を納付する」のが応急対応の基本であり、放置は延滞税・加算税・税務調査リスクを高めるだけです。
修正申告を自主的に行えば、原則として過少申告加算税が免除・軽減され、ペナルティは延滞税のみで済む可能性が高い一方、税務調査や通知後に発覚すると過少申告加算税や重加算税で最大45%程度の追徴がかかるケースもあります。
「申告漏れ発覚後の最も大事な行動は、”怖くても先に動くこと”」であり、事実関係を整理し、必要な修正申告・更正の請求・税務調査への備えを専門家と一緒に進めることがトラブル対策の要です。
相続税の申告漏れが発覚したとき、まず何をすべきか?
申告漏れに気づいたときの第一歩は「焦って自己判断しないこと」と「事実関係を紙に書き出して整理すること」です。「感情ではなく情報整理からスタートする」のが、トラブルを広げないコツです。
ステップ1:申告漏れの内容と範囲を整理する
最初にやるべきは、「何がどれだけ漏れていたのか」をできるだけ客観的に把握することです。
漏れていた財産の特定
預金・不動産・有価証券・生命保険・名義預金など、どの財産が申告書に反映されていなかったかを洗い出します。
漏れた原因の把握
把握漏れ(後から通帳が見つかったなど)か、評価・特例の認識違いか、単純な転記ミスかを確認します。
他に漏れがないかのチェック
一つ申告漏れが見つかった場合、同じパターンで他にも見落としがないか、預金・保険・不動産を総ざらいすることが推奨されています。
ここでのポイントは、「1つの漏れをきっかけに、全体の見直しをする」という姿勢です。
ステップ2:修正申告か更正の請求かを切り分ける
次に、「税額が増えるのか、減るのか」で手続きが変わります。
税額が増える=修正申告
新たな財産が増える、評価が上がる、本来使えない特例を外すなどの場合は、税額が増えるため修正申告が必要です。
税額が減る=更正の請求
相続人が増えて基礎控除が増える、小規模宅地等の特例や配偶者控除を後から適用できる、評価が下がる要因が判明したなど、税額が減るときは更正の請求で還付を求めます。
間違えて修正申告を選ぶと、本来受けられる還付を逃すリスクがあるため、この切り分けは専門家と一緒に行うのが安全です。
相続税の申告漏れ発覚後の応急対応フロー(6ステップ)
申告漏れがわかったときの実務的なフローは大きく6ステップに整理できます。「情報整理→税額試算→相続人協議→修正・納付→今後の対策」という流れです。
ステップ1:事実関係の整理
ステップ2:追加税額(または還付額)の概算
ステップ3:相続人間での情報共有と方針の合意
ステップ4:修正申告書(または更正の請求書)の作成
ステップ5:不足分相続税の納付(または還付を待つ)
ステップ6:税務調査・今後の相続に向けた再発防止策
応急対応のポイント:自主的な修正でペナルティを最小化
申告漏れ対応において、「いつ動くか」でペナルティは大きく変わります。
自主的な修正申告の場合
税務調査の事前通知前に修正申告を行えば、過少申告加算税が課されない、または免除・軽減され、延滞税だけで済むケースが多いと解説されています。
税務調査通知後の修正申告
調査通知後に修正すると、追加税額に対して5〜10%程度の過少申告加算税が課されます。
税務調査で発覚した場合
調査の結果として修正となると、原則10〜15%の過少申告加算税、場合によっては35〜45%程度の重加算税が課されるケースもあります。
「調査前の自発的対応」と「調査後の指摘対応」では、ペナルティの重さがまったく違うということです。
相続税の申告漏れのトラブルを防ぐ/こじらせないための対策
申告漏れのトラブル対策は「税務署向けの対応」と「相続人同士の関係調整」の2つの軸で考える必要があります。「税務リスクと人間関係リスクの両方を見据える」のがポイントです。
税務署とのトラブル対策
必要な書類の整備
新たに見つかった財産の通帳コピー、不動産登記簿、評価資料などを揃え、修正申告の根拠を準備します。
説明内容の整理
なぜ漏れたのか、いつ気づいたのか、なぜ今修正するのかを説明できるよう、メモにまとめておくとスムーズです。
税務調査を見越した資料保存
相続税の税務調査率は約9%前後とされ、申告漏れが疑われるケースでは調査対象に選ばれる可能性が高まるため、関連資料を5〜7年は保存しておくことが推奨されています。
税務署には銀行や不動産登記情報を照会する権限があり、「隠し通す」のはほぼ不可能だと指摘されています。
相続人同士のトラブル対策
申告漏れは、相続人間の不信感につながりやすいテーマでもあります。
情報共有を徹底する
誰がどの財産を管理していたか、新たに見つかった財産をどう分けるかをオープンに共有することが重要です。
修正申告後の負担分の調整
追加で発生した相続税・延滞税・加算税の負担を、相続人同士でどう分けるかも事前に話し合っておくべきポイントです。
第三者の専門家を間に入れる
感情的になりやすい場面ほど、相続税専門税理士や弁護士に間に入ってもらうことで、冷静な話し合いがしやすくなります。
よくある質問
相続税の申告漏れが発覚したら、最初に何をすべきですか?
どの財産がいくら漏れていたかを整理し、修正申告が必要かどうかを確認したうえで、速やかに修正申告書の提出と不足分の納付を検討することが重要です。
申告漏れを放置するとどうなりますか?
延滞税が増えるだけでなく、税務調査で発覚した場合には過少申告加算税や重加算税などの重いペナルティが課される可能性があります。
自分から修正申告するとペナルティは軽くなりますか?
税務調査の事前通知前に自主的に修正申告を行えば、過少申告加算税が免除・軽減され、延滞税のみの負担で済むことが多いと解説されています。
新たな財産が見つかった場合は必ず修正申告が必要ですか?
その財産を含めて計算し直した結果、相続税額が増えるなら修正申告が必要であり、増えない場合でも税務署への相談や専門家への確認が推奨されています。
申告漏れはどんな財産で起こりやすいですか?
使っていない預金口座、古い保険契約、貸金庫の中身、名義預金・名義保険など、存在が埋もれやすい財産で申告漏れが多いと指摘されています。
税務署に相談すればペナルティはなくなりますか?
税務署は制度の説明や必要手続きの案内はしてくれますが、ペナルティの免除を約束してくれるわけではなく、延滞税などは原則として必要になります。
追加の相続税とペナルティは誰が負担しますか?
法律上の明確なルールはなく、相続人同士の話し合いで負担割合を決めるのが一般的です。ただし、実務上は当該財産を取得した人が多めに負担することが多いと紹介されています。
相続税の税務調査が不安です。どう備えればよいですか?
申告漏れや評価ミスがないかを事前に総点検し、必要書類を整理・保存しておくことが重要であり、調査前に相続税専門税理士にチェックを依頼する方法も有効です。
名古屋在住でも、申告漏れの対応や税務調査の仕組みは同じですか?
相続税のルールやペナルティは全国共通ですが、名古屋のような都市部では不動産・金融資産が複雑になりやすく、申告漏れや税務調査の相談件数も多いとされています。
まとめ
相続税の申告漏れが発覚したら、応急対応として「修正申告書の提出」と「不足分の相続税の納付」を速やかに行うことが基本であり、放置は延滞税や加算税・税務調査リスクを高めるだけです。
自主的な早期対応であれば、過少申告加算税が免除・軽減される可能性が高く、延滞税のみで済むケースもある一方、税務調査や通知後の発覚では過少申告加算税や重加算税により最大45%程度の追徴となるケースもあります。
「申告漏れ発覚後の最も賢い行動は、”怖さより早さを優先して動くこと”」であり、事実関係の整理・税額の試算・修正申告か更正の請求かの判断を、相続税専門税理士と一緒に行うのが、トラブルと負担を最小限に抑える最善策です。









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