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代償分割

相続税の申告をサポートする中で、よく登場するのがこの代償分割です。今月も1件、代償分割の相談をいただきました。

代償分割とは

相続人全員の遺産分割の結果、法定相続分以上の財産を取得した相続人がいたとします。
その際、例えば相続人間で不公平感が残らないよう、他の法定相続分より少ない財産を相続した相続人に対して、金銭等を支払うことで法定相続分との不足額を補う遺産分割の方法があります。

専門用語を使うとわかりにくいですよね。具体例を使って説明します。

父と子供として2人兄弟がいたとします。
父親の財産は、自宅5000万円、現金3000万円があったとします。

自宅は2つにわけることができません。
そこで、自宅は長男が相続し、現金はすべて弟が相続したとします。

相続上の法定相続割合に基づけば、兄が4000万円、弟が4000万円相続できるはずです。このため、弟は本来法律上取得できる金額より1000万円少ないことになります。

そこで、このような場合に兄が弟へ1000万円現金で自分のポケットから支払うことにしたとします。

すると、兄弟で受け取る財産額がともに4000万円となります。このように、法定相続割合にならない相続財産の分割をした場合に、不公平感が出ないよう金銭等で補う遺産分割の方法を代償分割と呼びます。

代償分割を行う場合の注意点

上記の例では、兄が自分のポケットマネーから弟へ1000万円渡しています。

この取引だけをみると、兄から弟への贈与であり、本来であれば贈与税を払う必要があります。

しかし、代償分割に伴う贈与に関しては、遺産分割協議書内に代償分割の対価として明記しておくことで、贈与税の課税対象から除外されます。仮に遺産分割協議書に記載がないまま、代償分割を行い金銭を贈与した場合。税務調査がきた際に単純な贈与と指摘されても対抗することができなくなってしまいますので、必ず遺産分割協議書へ記載しましょう。

参考情報

No.4173 代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算

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