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2019年04月24日

相続放棄の手続きに欠かせない必要書類についてご紹介します。被相続人との関係などによっても必要書類は変わってくるので、1つずつ確認していきましょう。

どの立場でも共通して必要になる書類

相続放棄する人は申述人という立場になるのですが、被相続人との関係がどのような立場だったとしても次の5つの書類が必要です。

相続放棄申述書

家庭裁判所に直接取りに行くか、家庭裁判所のホームページからでもダウンロードできる書類です。被相続人の情報や自分の情報、どのような理由で相続放棄するのかなどを書きます。
気にしなければならない情報量はそれほど多くありませんが、申述の理由によってはそれを証明するのに必要な資料が求められることもあるので注意が必要です。

被相続人の住民票除票

被相続人が最後に住んでいた本籍地のある役所で取得しましょう。気を付けなければならないのが、出世から死亡に至るまですべての戸籍情報が必要だということ。

もし途中までしかなかった場合などには転籍先の役所に戸籍を請求し、すべて入手しなければなりません。遠方の場合も郵送でもやりとりが可能ですがどうしても時間がかかってしまいがちなので、3ヶ月という申請期限に注意しましょう。

また、被相続人の登記簿上の住所と死亡時の住所が異なっている場合も住民票の除票や戸籍の附票といったものを取得し、住所の繋がりに関する証明が必要です。

相続放棄する方の戸籍謄本

戸籍がある本籍地の役所で取得します。手数料は1通450円程度です。

収入印紙

相続放棄の手続きを行なうのにかかる手数料として、800円分の収入印紙が必要です。

切手

500円程度の郵便切手が必要です。内訳については裁判所に確認しましょう。

相続放棄の必要書類を立場ごとに確認

立場としては次の4つに分けられ、それぞれ必要書類が異なります。

被相続人の

  • 配偶者
  • 子または孫
  • 親または祖父母
  • 兄弟姉妹または甥姪

最初にご紹介したどの立場でも用意すべき必要書類に加え、立場ごとに変わってくる必要書類を確認しましょう。

被相続人の配偶者

基本の必要書類に加え、次の1点を用意しましょう。

被相続人の死亡記載がある戸籍謄本

こちらについては通常だと被相続人と配偶者は同じ戸籍に載っています。このような形であればその1通で問題ありません。

被相続人の子または孫

基本の必要書類のほか、子は次の1点、孫は2点を用意する必要があります。

被相続人の死亡記載がある戸籍謄本

配偶者の項目で先述したものと同じです。

被代襲者の死亡記載がある戸籍謄本

申述人が孫という立場だった場合に必要になる書類です。
本来、法定相続人についてみていくと仮に父親が死亡した場合、子どもが相続人になるのですが、その子どもが父親よりも先に亡くなっていた場合には被相続人の孫に権利が移ります。
法定相続分に関しては上記でいうと子どもと同じです。

被相続人の孫の立場にある相続人が相続放棄する場合は、例でいうと本来の相続人であった父親(被代襲者)の死亡記載がある戸籍謄本を用意しましょう。

被相続人の親または祖父母

基本の必要書類に加え、親は次の2点、祖父母は3点を用意する必要があります。

被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本

本来の相続人で相続試合の1位となるのは被相続人の子、およびその世襲相続人にあたる孫です。ですがこれらの立場の人がいないような場合には、被相続人の父母が第2の相続順位となります。

用意しなければならないのが、第1順位にあたる相続人がいないことを証明するための書類です。

配偶者、または子の出生から死亡までのすべての戸籍謄本

先日の第1順位にあたる相続人がいないことを証明するための書類の1つです。

被相続人の親の死亡記載がある戸籍謄本

申述人が祖父母という立場だった場合に必要になる書類です。被相続人の第1順位の相続人がいないことに加え、被相続人の父母も死亡している場合にそれを証明するための書類となります。

被相続人の兄弟姉妹または甥姪

被相続人の兄弟姉妹または甥姪だった場合、存続順位は先述してきたものの中で最下位です。そのため、これまでご紹介してきた書類がすべて必要ということになります。

被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本

親または祖父母の項目で先述したものと同じです。

配偶者、または子の出生から死亡までのすべての戸籍謄本

親または祖父母の項目で先述したものと同じです。

被相続人の親の死亡記載がある戸籍謄本

親または祖父母の項目で先述したものと同じです。

兄弟姉妹の死亡記載がある戸籍謄本

申述人が甥・姪という立場だった場合に必要になる書類です。兄弟姉妹も死亡している場合にはこちらも用意しましょう。

相続放棄の必要書類に関する基本

大前提としておさえておかなければならないのが、法的に相続人という立場にある限り、相続放棄をしなければプラスの財産もマイナスの借金も相続するということ。

もし、被相続人に財産がほとんどないものの、借金があるようなケースでは相続放棄をして借金の返済を免れましょう。

気をつけなければならないこととして、相続放棄の申請期限は相続が始まってから3ヶ月以内となっています。この間に必要書類を準備しなければならないので、スムーズに準備ができるように自分の場合はどのような書類が必要なのか良く確認しておきましょう。

必要書類の提出方法は?

提出は、家庭裁判所に対して行ないます。
ここで注意しなければならないのが、提出先となるか、裁判所は被相続人の方が亡くなった住所地にもっとも近い家庭裁判所だということ。

人によっては被相続人の方とかなり離れた場所に暮らしていて、簡単に提出に行けない方もいるでしょう。このようなケースでは、郵便で送付することも可能です。

ただし、郵送は直接持って行くのに比べるとやりとりに時間がかかりますし、書類などに不備があった場合に再度送付が必要です。
先述したように、3ヶ月を過ぎてしまうと放棄の手続きができなくなってしまうため、ギリギリになってから手続きをする場合は万が一のことを考えて直接持って行くのが理想的だといえるでしょう。

裁判所によって必要書類が違う

何を用意しなければならないのかは、各裁判所によって多少異なります。先述した書類は必要になることが多いのですが、他に何か用意しなければならないケースもあるので、具体的なことについては直接家庭裁判所の方に確認をしておきましょう。

本当に相続放棄をするのか確認が必要

相続放棄でよくあるトラブルが、被相続人にかなりの借金があり、これの支払いを免れるために相続放棄したものの、後から借金を上回る財産があることがわかったケースです。一度放棄してしまうと後から発覚した財産を受け取る権利はありません。

借金の額がよくわからないこともあるので、プラスとマイナスのどちらが大きいのかわからない場合はプラスの遺産で払える範囲のみマイナス分を相続する「限定承認」という方法もあります。

自分が用意しなければならないものを見極めよう

被相続人との立場によって用意しなければならない書類が変わってくるので、自分の場合に何か必要なのかは早めに判断し、準備を進めましょう。書類の中には取得までに時間がかかるものもあるので、必要書類の取得は余裕を持って進めておいたほうが安心です。

代表プロフィール

税理士法人エール
永江将典

近畿税理士会所属。税理士法人エールの代表税理士を務める。
相続の申告をする方のストレスを減らしたいという思いで2012年で開業。

生前対策や相続税申告だけでなく、
遺言書・遺産分割協議書の作成や成年後見人、相続登記など、様々な相続事案に対応。
相続に関するすべてのことが解決できるサービスを提供している。

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