
亡くなった方が不動産を持っている場合、名義変更が必要になります。一般的には司法書士に依頼して相続登記申請書を作成してもらい手続きをする方が多いのですが、相続登記申請書に関する手続き自体は一般の方でも可能です。
そこで、具体的な書類の書き方や注意点などについてご紹介しましょう。自分で申請をしたいと考えている方は参考にしてみてくださいね。
目次
相続登記申請書とは?書き方は?
不動産の相続をする際に登記名義を変更しなければなりません。これを相続登記というのですが、相続登記を依頼する際に作成する書類が相続登記申請書です。
相続登記申請書に指定の用紙があるわけではないため、パソコンを使い、Wordなどのソフトで作成してコピー用紙などに印刷して提出する形が一般的だといえます。
ただ、相続登記申請書は適当に書けば良いものではないので、どのような項目を入れれば良いのか、何を書けば良いのかについて詳しくみていきましょう。
タイトル
用紙の一番上にあたる一行目に書く文字は「登記申請書」です。
注意しておかなければならないのが、申請者の上部には7cmほど空間を空けなければならないということ。この空間は法務局で使用することになります。
登記の目的
登記理由について書きます。個人が所有していた不動産があり、亡くなったことにより相続人に不動産の権利が移るケースでは「所有権移転」と記載しましょう。
不動産を所持する人が変わることを意味します。
原因
相続という理由で書類を作成しているのなら、相続が開始された日を記載します。
つまり、その不動産を所有していた日がなくなった日を書く形になるわけですね。
書き方としては「平成○年○月○日 相続」となります。」
相続人
はじめに被相続人の氏名を記しましょう。続いて相続人の住所と氏名、連絡先を記載していく形となります。
ここで気をつけなければならないのが、住民票に書かれている住所などを正確に記載しなければならないということ。住民票を確認した上で書いたほうが間違いないでしょう。
電話番号は法務局から問い合わせがある可能性も考えられるため、受け取りやすい携帯電話などの方が良いです。指名の横には印鑑を押しましょう。また、複数の相続人がいる場合には持分の記載もしなければなりません。実印ではなく、認印です。複数人の相続人がいる場合は、それぞれの認印を押印しましょう。
添付書類
相続する際には様々な書類を添付しなければならないのですが、ここには「登記原因情報」「住所証明情報」とのみ記載すれば問題ありません。
申請日と法務局名
申請日は直接法務局の窓口に提出するのならその日を、郵送する場合は発送日を記入しましょう。
法務局名は登記する不動産が所在している土地を管轄している法務局です。法務局が支局だったり、出張所といった場合にはそれらの記載も必要になります。
「平成○年○月○日 申請 ○○法務局」のような形で書きましょう。
課税価格
登録免許税を計算する際の基礎でもある金額となります。固定資産評価証明書に記載されているので、そちらを確認しましょう。記載されている固定資産税評価額の1,000円未満を切り捨てた金額を期待することになります。
なお、複数の不動産を登記する場合、それらの固定資産税評価額を合算したあと1,000円未満を切り捨てましょう。固定資産評価額が1,000円未満だった場合には1,000円となります。
登録免許税
時申請をする際には手数料がかかり、これがそれに該当します。先述の課税価格に0.4%をかけ、100円未満を切り捨てた金額を計算して記載しましょう。
こちらも1,000円未満だった場合には1,000円となります。
計算したら登録免許税と同額の収入印紙を別途用意する登録免許税印紙貼用台紙に貼って納税しなければなりません。
不動産の表示
不動産登記簿に書かれている情報を記載しましょう。
- 土地の場合:不動産番号、所在、地番、地目、地積
- 建物の場合:不動産番号、所在、家屋番号、種類、構造、床面積
上記の情報がすべて必要となります。法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取り寄せた上で書きましょう。
申請に必要なその他の書類
相続登記をする際には、相続登記申請書のみを用意すれば良いわけではなく、次の書類も必要です。
書類の作成について気をつけなければならないこと
実際に自分で相続登記申請書を作成して提出しようと考えている方は、次の4点に注意が必要です。
収入印紙貼付台紙が必要
相続登記申請書のほかに収入印紙貼付台紙も作成しなければなりません。ここに登録免許税相当額の収入印紙をそこに貼付して提出する形になるからです。
A4サイズの用紙を用意し収入印紙を貼るのですが、金額が間違っていると大変なので、一度窓口で相続登記申請書の確認をしてもらった方が確実。
法務局に足を運んで書類の作成方法や書類不備がないのかみてもらいましょう。
自分ですべて確認して提出する場合には、添付書類と金額が合っているのかよく確認しておかなければなりません。
複雑な書類の作成は素人だと難しい
簡単な相続であれば専門的な知識がないことでも対応することができますが、そうでない場合にはやはり司法書士にお任せしたほうが良いでしょう。
自分でやろうと思って無駄に時間がかかってしまうことも珍しくありません。
登記識別情報は慎重に管理が必要
紙切れ一枚ということもあり、登記識別情報は適当に扱ってしまう方もいるようです。
しかし、登記識別情報とは、権利証と同じような価値を持っているものなので、扱いには十分に注意しておいてくださいね。
正しい書き方と注意点を確認し、スムーズな申請を
相続登記申請書の書き方や注意点などについてご紹介しました。内容を確認していただくとわかる通り、複雑ではない一般的な相続であれば記載しなければならない内容もわかりやすく、素人の方でも対応可能です。
そうでない場合は専門家に相談するなどして、スムーズに申請が済ませられるように対応しましょう。