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2019年04月23日

相続税の節税対策と注意点について

相続税対策として行ないたいこととは、節税効果のある特例を把握すること、生前贈与を利用すること、財産の評価額を低下させること、生命保険に加入すること、二次相続を考えること、遺言書を作成することの6つです。
ただし、二次相続や特例の適用、生前贈与には注意するべき点も多く、間違えると納税額がアップしてしまう可能性も考えられます。

相続税対策で行なうべきこと

対策1:節税効果のある特例を把握する

節税対策効果のある特例にはさまざまなものがありますが、「小規模宅地の特例」と「配偶者の税額軽減の特例」が代表的です。
特例を利用すると、相続税の金額を大幅に少なくすることができるため、いざというときに適用できるように、事前に内容を把握しておいてください。

「小規模宅地の特例」とは、約100坪以下の住宅用の土地を所有している場合、土地の評価額を80%低くできる特例です。
そして、「配偶者の税額軽減の特例」とは、被相続人の配偶者の相続税が0円になる特例です。
配偶者の相続する財産が法定相続分以内か、1億6,000万円までの財産であることが条件ですが、ほとんどの場合はどちらかの条件に該当すると考えられるため、基本的に配偶者に相続税は課せられません。

その他、未成年者が満20歳になるまでの年数に10万円を乗じた金額が控除される「未成年者の税額控除」や、障害者が満85歳になるまでの年数に10万円、もしくは20万円を乗じた金額が控除される「障害者の税額控除」などの特例もあります。

対策2:生前贈与を利用する

相続税対策で最も一般的な方法は、生前贈与を利用して、相続する財産の総額を減額させる方法です。
相続税は被相続人が所持している財産の総額から算出されるので、被相続人が生存している間に、相続人に財産を贈与して財産の総額を減らしておけば、相続税対策ができます。

贈与の方法はさまざまですが、贈与の仕方によって課される贈与税や控除額が変わってくるため、生前贈与を利用する場合は、贈与の方法についても検討する必要があります。

【暦年贈与】
贈与の中でも最も一般的なのが「暦年贈与」で、暦年贈与では、1年間で贈与を受け取る人1人につき110万円以内の贈与であれば贈与税が課せられません。
暦年贈与の仕組みを利用した対策は、1年間で110万円までの財産を複数年に分けて贈与すれば、少しずつ財産の総額を減らしていくことができます。

【相続時精算課税制度】
相続時まで贈与税の納付を延長してもらえる制度で、将来的に価値が上がる不動産などを持っている場合などに効果的です。
相続時精算課税制度によって相続時に支払う贈与税額は、贈与を行なったときの評価額で計算されるため、評価額が上昇した分だけ節税対策ができます。
条件を満たしていれば、合計2,500万円までの財産を非課税にすることが可能です。

【結婚、子育て資金の一括贈与】
20~49歳までの子どもがいて、子どもが結婚や出産などをするタイミングであれば、「結婚、子育て資金の一括贈与」を利用することも可能です。
挙式や婚礼にかかる費用や、新居の家賃、敷金、引越し費用の贈与は、上限300万円まで贈与税が非課税となります。
また、不妊治療や妊婦健診、分娩費、産後ケア、出産した子どもの医療費や保育料の贈与は、上限1,000万円までが贈与税非課税です。

【教育資金の一括贈与、住宅取得等資金贈与の特例】
その他、子どもや孫の教育のための贈与であれば、1,500万円までが贈与税非課税となり、住宅取得への資金援助としての贈与であれば、3,000万円までが贈与税が課せられません。
住宅取得の資金援助には年齢制限がありませんが、教育のための贈与は、子どもや孫が30歳未満の場合に限られます。

対策3:財産の評価額を低くする

相続予定の財産に現金が多く含まれているようであれば、不動産にすることで財産の評価額を低下させられます。
相続時に現金は額面そのままの金額で計算されますが、不動産に換えておくと、現金のときよりも評価額が下がるからです。

例えば、5,000万円の現金を所有しているときは、額面通り5,000万円の評価されますが、相続税の計算式では、建物の評価額は建築費の60%で算出されます。
そのため、5,000万円で建築した建物を相続した場合、60%を乗じた3,000万円が評価額です。

さらに、住宅ローンを利用して建物を建築すると、財産の総額から住宅ローン分を差し引くことができるため、相続税の金額はより低くなります。
相続税の総額は、財産だけでなく、借入金や未払金などのマイナスの財産も含むからです。

対策4:生命保険に加入する

生命保険の受取金には相続税が課せられないため、相続人を受取人とした生命保険に加入しておくことも節税対策になります。
相続税が非課税となる金額は、法定相続人1人に対して500万円で、法定相続人が複数人いる場合は、「500万円×法定相続人の人数」が非課税額です。
さらに、生命保険の受取金で相続税を支払えるというメリットもあるため、よく利用されている対策法です。

対策5:二次相続を考える

二次相続とは、同じ相続人が2回目の相続を受けることを指し、相続人が相次いで相続を受けることで、相続税の負担が増えてしまう可能性があります。

例えば、夫と妻が同時期に亡くなり、2人とも財産を所有している場合などです。
夫が先に亡くなったとすると、妻と子どもに財産が相続されますが、その後妻も亡くなった場合、子どもだけに財産が相続されるため、1回目と2回目の両方で納税しなければならず、相続税の負担は大きくなります。

二次相続を見越して考えれば、1回目の相続で妻に高額の相続をさせるようにすれば、子どもの納税の負担は少なくすることが可能です。
また、妻への相続は「配偶者の税額軽減の特例」が適用されるので、控除額が大きく、相続税を大幅に軽減させられるようになります。

対策6:遺言書を作成する

遺言書を作成しておけば、遺産分割協議の時間を短縮することができるため、特例を適用させやすくなります。

相続税の申告期限は被相続人の死亡を知った日から10ヶ月であり、遺産分割協議に時間がかかった場合、10ヶ月以内に手続きを終わらせることができなくなる可能性があります。
もし、十分に遺産分割協議が行なわれないまま10ヶ月目を迎えてしまうと、法定相続分で相続したという仮の申告を行なうことになりますが、仮の申告の場合は、特例を適用させられなくなるからです。

特例の重要性は先にご紹介している通りで、節税対策には欠かせない存在です。
被相続人が遺言書を作成して、事前に財産の配分を決めておけば遺産分割協議を行なう必要はなくなり、10ヶ月目の申告期限に間に合わない可能性が低くなります。

配偶者の税額軽減の特例の注意点

配偶者の税額軽減の特例を適用させるためには、遺言書の項で解説したように、遺産分割協議を相続税の申告期限までに終わらせていなければなりません。
そして、二次相続の項で触れましたが、二次相続を考慮して配偶者に多くの財産を相続させた場合、反対に相続税が高くなってしまう可能性があることに注意してください。

相続税が高くなる理由は、2回目の相続では、特例が使えなくなる可能性があるからです。
例えば、1回目の配偶者の相続では「配偶者の税額軽減の特例」が利用できますが、2回目の子どもへの相続では利用できません。
「小規模宅地の特例」利用できなくなる可能性があるため、二次相続では相続税の金額が高くなる傾向にあります。

そのため、配偶者の税額軽減の特例が利用できることを理由に、配偶者に財産の大半を相続させる際には注意が必要です。
一次相続と二次相続で発生する相続税額の合計を考慮して、相続の配分を行なわなければなりません。

生前贈与の注意点

暦年贈与の注意点

生前贈与の「暦年贈与」で、毎年決まった時期に特定の人物に対して贈与を行なった場合、「定期贈与」とみなされ、全ての贈与を1年間に行なったものとして、高額の贈与税が課せられる場合があります。

また、贈与を行なうときには、毎回「贈与契約書」を作成するか、銀行振込で贈与をするかで、贈与の事実を残しておくようにしてください。
ただし、贈与の事実を残していても、被相続人が相続人の通帳や印鑑、キャッシュカードを管理していた場合は、贈与が認められず、相続税を課せられる可能性があります。

なお、生前贈与は早めの時期から開始するほうが、節税対策に効果を発揮します。
その理由は、毎年1回の暦年贈与を何回も行なえるため、贈与できる総額が増加することと、相続を開始する3年以内に行なわれた贈与には相続税が課せられてしまうからです。

相続時非課税制度の注意点

相続時非課税制度を利用する場合は、選択届出書を提出しなければなりません。
選択届出書は、適用後の確定申告の際に提出して、贈与の翌年に申告をします。

また、相続時非課税制度と暦年贈与は併用することができず、相続時非課税制度を適用させた後は、暦年贈与を選択することができなくなる点に注意してください。

相続税対策は早めに専門家に相談しよう

相続税の対策法は、特例を利用する方法、生前贈与を利用する方法、財産の評価額を低下させる方法、生命保険に加入する方法、遺言書を作成する方法などがありますが、二次相続のことも含めて考えなければなりません。

また、特例の適用や生前贈与の方法には注意するべきポイントも多く、間違えてしまうと、高額の相続税や贈与税が発生する可能性も考えられます。
間違いのない、効果的な節税対策を行なうためには、相続専門の税理士事務所などに相談することがおすすめです。

代表プロフィール

税理士法人エール
永江将典

近畿税理士会所属。税理士法人エールの代表税理士を務める。
相続の申告をする方のストレスを減らしたいという思いで2012年で開業。

生前対策や相続税申告だけでなく、
遺言書・遺産分割協議書の作成や成年後見人、相続登記など、様々な相続事案に対応。
相続に関するすべてのことが解決できるサービスを提供している。

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