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2019年04月23日

相続税路線価の概要と計算方法について

相続税路線価とは、道路の価格のことです。
土地を相続したときの評価額を算出するための基準で、相続税や贈与税を「路線価方式」で計算するときに使います。
相続税路線価は国税庁の公式サイトや税務署で確認できますが、設定されていない場合は「倍率方式」で計算します。
土地評価額の計算方法は難解なので、注意点や計算方法を熟知してから算出してください。

「相続税路線価」とは?

相続税路線価とは道路の価格のことで、相続税や贈与税を算出するための基準です。
国税庁が毎年8月前後に公表しており、毎年1月1日時点の土地の公示価格の80%を目安として決定されます。

もし、土地を相続した場合には、相続した土地に接している相続税路線価に、土地の面積を乗じて土地の評価額を算出します。
そして、計算で求められた土地の評価額が、相続税の課税対象です。

なお、相続税路線価は年度によって変更される可能性がありますが、災害などの影響で調整される場合もあります。

相続税路線価の確認方法

相続税路線価を確認するためには、国税庁や各地域の税務署に行く方法と、国税庁の公式サイトにアクセスして閲覧する方法、全国地価マップで確認する方法の3種類があります。
国税庁や各地域の税務署には、「路線価図」という資料があるので、閲覧希望の申請を提出すれば誰でも確認可能です。

国税庁の公式サイトで閲覧するには、トップページの「関連サイト」というメニューの中にある、「路線価図・評価倍率表」を選択してください。
「路線価図・評価倍率表」には地図が表示されるので、検索したい都道府県を選び、住所を選択していけば確認できます。
国税庁の公式サイトでは、過去6年間の相続税路線価を検索できますが、さらに過去の情報を検索したい場合は、国立国会図書館にある資料で調べることもできます。

全国地価マップを利用して確認する場合は、「一般財団法人資産評価システム研究センター」の「全国地価マップ」公式サイトにアクセスします。
土地の郵便番号を入力するか、市区町村を指定すれば簡単に確認が可能です。

相続税路線価の読み方

国税庁の公式サイトで検索した場合、地図の道路の部分に「520C」「350A」などと記載されています。
地図に表示されている数字が相続税路線価で、アルファベットは借地権割合を意味しています。

掲載されている数字は千単位で表記されているため、「520C」であれば、520千円(52万円)が相続税路線価です。
住所選択から表示された地図を見て、土地に接している道路を探し、数字を確認してください。

相続税路線価が設定されていない場合

相続税路線価が設定されていない道路に接した土地を相続する場合、「倍率方式」という計算方法を使って、固定資産評価額で評価額を算出します。
相続税路線価は、全国全ての道路に設定されているわけではありません。
地方の細い道路に面した土地や、畑、田んぼなどの土地を相続する場合、設定されていない可能性もあります。

設定されていない場合は、固定資産評価額で土地を評価しますが、相続税路線価が公示価格の80%を目安に設定されているのに対して、固定資産評価額は取引時価の60%から70%程度で設定されます。
固定資産評価額だけで評価額を算出すると、相続税路線価を使って計算したときよりも評価額が低くなってしまうため、それぞれ計算方法が異なります。

そのため、土地の評価額を計算する場合は、相続税路線価が設定されている土地の場合、「路線価方式」という計算方法を使い、固定資産評価額で土地の評価額を計算する場合は、「倍率方式」という計算方法で算出してください。

相続税路線価の計算方法

路線価方式での計算方法

路線価方式を利用した評価額の計算式は、次のとおりです。

(路線価±{土地の状況による加算もしくは減算})× 土地面積 = 評価額

土地の形や状態は一定ではなく、土地面積と相続税路線価だけで評価額を求めることはできません。
そのため、相続税路線価に土地の状態による加算や減算を行い、さらに、「面地調整」という補正を加味して計算を行ないます。

路線価方式での面地調整について

面地調整には、土地の奥行きに対する「奥行価格補正率」、2つ以上の道路に接している場合に適用される「側方路線影響加算率」や「二方路線影響加算率」などがあります。
下記が、面地調整を加味して計算された国税庁公式サイト掲載の計算式です。

(1) 正面路線価の奥行価格補正
 900 千円(正面路線価)×奥行価格補正率=イ
(2) 側方路線影響加算額の計算
 700 千円(側方路線価)×奥行価格補正率×側方路線影響加算率=ロ
(3) 二方路線影響加算額の計算
 650 千円(裏面路線価)×奥行価格補正率×二方路線影響加算率=ハ
(4) 評価対象地の1平方メートル当たりの価額
 イ+ロ+ハ=ニ
(5) 評価対象地の評価額
 ニ × 面積

出典:国税庁:No.4604 路線価方式による宅地の評価

路線価方式では土地の状態による補正と面地調整があるため、正しい土地の評価額算出方法は難解です。
面地調整には、さらに「不整形地補正率」「間口狭小補正率」「奥行長大補正率」「がけ地補正率」などがあり、土地によってはさらに計算方法が難しくなります。
土地評価額の計算を間違えると、相続税の金額は大きく変わることになるため、計算は専門家に任せたほうが良いでしょう。

倍率方式での計算方法

倍率方式を利用した場合は、土地の状態による加算、もしくは減算を行なう必要はなく、土地の評価額の計算式は次のとおりです。

固定資産税評価額 × 倍率 = 評価額

固定資産税評価額は、固定資産税の納税通知書に同封されている課税明細書に記載されています。
倍率というのは、相続税路線価と固定資産評価額の割合の差を埋めるための倍率のことで、国税庁の公式サイトで確認が可能です。

倍率方式での倍率について

倍率方式の計算で用いる倍率は、国税庁公式サイトの「路線価図・評価倍率表」から確認します。
「路線価図」というメニューの横に、「評価倍率表(一般の土地専用)」というメニューがあり、倍率を調べられるようになっています。
住所を選択していくと、評価倍率表が表示されるので、土地の町名と地目から探してください。

表には「1.1」「1.3」などの数値が記載されており、該当の数値を倍率として計算に使用します。
もし、固定資産税評価額が2,000万円の土地で、倍率が1.3となっていた場合、土地の評価額は次のとおり2,600万円です。

2,000万円(固定資産税評価額) × 1.3(倍率) = 2,600万円

倍率方式では補正や面地調整を加味しなくても良いため、路線価方式よりも計算は簡単です。
しかし、土地は高額な財産なので、計算を間違えると大幅に相続税納付の予定が狂ってしまうため、やはり専門家に任せるべきでしょう。

相続税路線価の注意点

被相続人が亡くなった年度のものを適用する

相続税路線価は毎年8月頃に公表されますが、被相続人が亡くなった年度の数値を使って計算をします。
公表される相続税路線価は、1月1日時点の土地の公示価格を使って算出されているからです。
そのため、1月に被相続人が亡くなった場合には、亡くなったときに公表されているものではなく、8月に公表される新しい相続税路線価を使って計算しなければなりません。

つまり、1月から7月の間に被相続人が亡くなった場合は、8月まで正しい土地の評価が行なえないということです。

しかし、相続税の申告期限は、被相続人が亡くなったことを知ってから10ヶ月間と定められているため、遺産分割協議を早めに開始したいという事情もあるでしょう。
適用すべき相続税路線価がまだ公表されていない場合は、4月に土地の公示価格が公表されるので、公示価格から相続税路線価を概算で求めて計算してください。

倍率方式で計算する場合も同様で、被相続人が亡くなった年度の固定資産税課税明細書を使用してください。

節税対策への利用に注意

相続税対策のために相続税路線価を利用したいと考える場合は、反対に、相続税が高くなる可能性があることも知ってください。

相続税路線価は土地公示価格の80%を目安として決定されるため、5,000万円の現金を相続させるより、5,000万円の80%の評価となる土地を相続させたほうが、相続税は軽減されます。
しかし、土地公示価格は一定ではなく、経済情勢や土地開発、地域振興などの影響によって、土地の価格が高騰する可能性もあることに注意しましょう。

相続目的で生前に土地を購入しても、被相続人が亡くなったタイミングで土地の価格が急騰すれば、現金で所持していたときよりも相続税が高額になる場合もあります。
節税対策のために土地の購入を検討している方は、今後の土地の価値についても考慮しなければなりません。

借地を相続するときの注意点

借地を相続する場合は、路線価方式の計算式に「借地権割合」を乗じなければなりません。
借地権割合の確認方法は、国税庁公式サイトの相続税路線価の横に表示されているアルファベットを、次の表に当てはめてください。

アルファベット

借地権割合

A

90%

B

80%

C

70%

D

60%

E

50%

F

40%

G

30%

例えば、国税庁公式サイトの地図に「500B」とあれば、借地権割合は80%です。
借地の場合は、先にご紹介した計算方法で算出された数値に、借地権割合を乗じた金額が土地の評価額とされます。

土地の評価額算出は複雑で難解です

相続税路線価とは道路の価格のことで、土地の評価額を算出するために利用される基準のことです。
相続税や贈与税を算出するためには欠かせませんが、路線価方式の計算は難しく、土地の状況や形も考慮して計算を行なわなければなりません。

土地は高額な財産であり、土地評価額の計算を間違えると相続税の金額が大きく変わってくるため、相続専門の税理士などに相談することをおすすめします。

代表プロフィール

税理士法人エール
永江将典

近畿税理士会所属。税理士法人エールの代表税理士を務める。
相続の申告をする方のストレスを減らしたいという思いで2012年で開業。

生前対策や相続税申告だけでなく、
遺言書・遺産分割協議書の作成や成年後見人、相続登記など、様々な相続事案に対応。
相続に関するすべてのことが解決できるサービスを提供している。

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