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2019年05月13日

相続税がいくらからかかるかは、基礎控除額から求めることができます。
そして、実際の税額は基礎控除額と遺産総額から算出されますが、遺産総額は財産一つ一つの評価額を調べる必要があり、節税効果のある特例を適用させなければならないことも考えると慣れない方には難解です。
計算方法や注意点などをよく把握して、正しい計算をしましょう。

相続税はいくらからかかる?

相続税がいくらから課されるかということは、基礎控除額から求められます。
基礎控除額として固定されている金額は3,000万円ですが、加えて法定相続人の人数によって変化します。
基礎控除額の金額を算出するための計算式は次の通りです。

法定相続人の人数 × 600万円 + 3,000万円

もしも、法定相続人が3人であった場合、「3×600万円+3,000万円」となり、4,800万円が基礎控除額なので4,800万円までは非課税です。
法定相続人が5人であった場合は「5×600万円+3,000万円」となり、6,000万円までが非課税とされます。

そして、上記の計算式で求められた基礎控除額よりも、相続財産の総額が下回っていた場合は相続税が課せられません。
つまり、いくらから課税対象になるかは法定相続人の人数によって変わります。

実際にかかる相続税の計算方法

遺産の総額を算出する方法

実際に課せられる相続税の金額は、まず、遺産の総額を算出しなければ知ることができません。
遺産の総額を知るには、残されているものの中から財産的価値のあるものを確認し、財産の価値を一つ一つ算出してから合計します。
財産が現金や預貯金だけであれば金銭的価値を算出しやすいですが、不動産などが含まれている場合は評価額を調べてから計算しましょう。

相続された財産であれば、ほぼ全てが課税対象とされますが、例外的に仏壇、仏具、墓、死亡退職金、生命保険は課税対象となりません。
生命保険は全てが対象外となるわけではなく、法定相続人の人数に500万円を乗じた金額のみが対象外です。

遺産の総額はプラスの財産のみが対象ではなく、借金、未払金などのマイナスの財産も対象となるため、プラスの財産の合計が完了したら合計額からマイナスの財産を差し引きます。
また、葬儀費用もマイナスの財産に含まれることが可能です。

財産に土地が含まれている場合

財産に土地が含まれている場合は、「路線価」から土地の価格を調べます。
路線価とは、国税庁のホームページから確認できる道路の価格のことで、相続された土地に面する路線価から土地の価格を算出することが可能です。

土地の評価額 = 路線価 × 補正率 × 土地の面積

路線価による土地の評価額の算出は、上記のように計算式としては簡単です。
しかし、土地の形や状態などを含めて算出するために補正率を考慮する必要があり、補正率の適用は簡単ではありません。

路線価は全ての道路に設定されているわけではなく、場合によっては路線価が設定されていない道路もあります。
その場合は、路線価と同じく国税庁のホームページから評価倍率を調べ、評価倍率によって評価額を算出します。

土地の評価額 = 固定資産税評価額 × 評価倍率 × 補正率 × 土地の面積

評価倍率を用いて算出する場合、固定資産税評価額を調べてから評価倍率を乗じ、土地の形状や状態を補正率で調整した後、最後に面積を乗じます。

財産に建物が含まれている場合

遺産の中に建物が含まれている場合は、固定資産税評価額を調べるだけで価値を知ることができます。
固定資産税の納税書に記載されているため、比較的簡単にわかるでしょう。

ただし「小規模宅地等の特例」には注意が必要です。

個人が、相続又は遺贈により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等又は被相続人等の居住の用に供されていた宅地等のうち、一定の選択をしたもので限度面積までの部分(以下「小規模宅地等」といいます。)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額します。

出典:国税庁:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

居住用の住宅を相続した場合、宅地の利用区分や条件に応じて相続税課税対象額が最大80%まで減額されます。

財産の株式が含まれている場合

株式を相続する場合は上場株式と非上場株式で価値の算出方法が異なります。
上場株式の価値は、次の4つを比較して最も安価なものを採用します。

・死亡日の終値
・死亡月の終値の平均
・死亡前月の終値の平均
・死亡前々月の終値の平均

非上場株式であった場合は、次の3つの計算方法から判断されます。

・類似業種比準方式:類似した企業の終値を参考に算出
・純資産価額方式:企業を生産した際の価値を調査し算出
・併用方式:類似業種比準方式と純資産価額方式を併用して算出

相続税の税率と控除について

上記のように財産一つ一つの価値を算出し、プラスの財産とマイナスの財産を含めた遺産総額を算出したら、相続税の税率と控除額を用いて実際の相続税を計算します。
税率と控除額は相続財産の課税対象額によって異なり、次の通りです。

相続財産の課税対象額

税率

控除額

1,000万円以下

10%

3,000万円以下

15%

50万円

5,000万円以下

20%

200万円

1億円以下

30%

700万円

2億円以下

40%

1,700万円

3億円以下

45%

2,700万円

6億円以下

50%

4,200万円

6億円超

55%

7,200万円

例えば、一人の相続人が8,000万円の財産を相続する場合、相続税額は下記のように計算され1,700万円となります。

8,000万円 × 30% – 700万円 = 1,700万円

相続税を計算する時の注意点

相続税の計算をする時は、課税対象額が減額される特例などを正しく適用させるようにしましょう。
建物の相続の項目で解説した「小規模宅地等の特例」のように、課税対象額が大幅に減額される特例は数多く用意されています。
税額を計算する時に、相続人自らが適用させなければ必要のない相続税を支払わなければならなくなります。

もちろん、税金の金額を間違えないように一つひとつの財産の価値を正しく算出することも大切です。
評価額の算出方法や特例の適用について不安がある方は、やはり相続に詳しい専門家に依頼することをおすすめします。

事前に知っておきたい節税対策

生前贈与を活用する

生前贈与を活用する節税対策は、最も一般的な方法でしょう。
贈与税が課せられない「年間110万円」という上限を利用して、毎年少しずつ財産を贈与する「暦年贈与」が代表的です。

その他に、教育資金贈与、結婚・子育て資金の贈与、住宅取得資金贈与、おしどり贈与などの特例を利用すれば、贈与税を課せられることなく生前贈与が行なえ、効率的に遺産総額を減らせます。

生命保険を活用する

生命保険で受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象外です。
最初でも少し解説しましたが「500万円×法定相続人の人数」分の金額のみ課税対象外とされます。

法定相続人の人数には、相続を放棄した相続人を含めることも可能です。
生命保険を活用した節税方法にはリスクもデメリットもないため、とても有効な方法だと言えます。

不動産を活用する

現金はそのままの価値で評価されますが、不動産に転換すると財産としての評価額を下げることができます。
例えば、2億円の現金でアパートを購入した場合、アパートの評価額は約1億2,000円となり、アパートを賃貸物件として活用していれば評価額は約8,400万円に下がります。

また、建物が建設されている土地の評価額も同時に下がるため、遺産総額を大幅に少額にすることが可能です。

相続税の課税対象額を知るにはまずは遺産総額を求めよう

相続税がいくらからかかるかを知るには、まず、基礎控除額を計算し遺産総額を求めてから算出します。
遺産総額の算出は、財産一つひとつの評価額や価値を調べ、プラスの財産を合計してからマイナスの財産を差し引くことで求めます。
遺産総額を算出する際には、節税効果のある特例の適用を忘れないようにしましょう。

相続税の計算は不動産や株式などの財産があると難解になり、慣れない方では誤ってしまう可能性が高いものです。
また、特例などを全て把握することも難しいため、税額の計算は相続専門の税理士に依頼するべきでしょう。

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