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2019年05月13日

遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があり、それぞれ作成のためのポイントや注意点は異なります。

自筆証書遺言と秘密証書遺言は、自分で遺言書を作成する必要があり、様式を守らなければ無効となる可能性も考えられます。
公正証書遺言は公証人が遺言書を作成しますが、遺言書の内容に関する言及は行なわれないため、内容は遺言者自身が作成しなければなりません。

その点、専門家に依頼をすれば、様式に沿った正しい遺言書が作成でき、内容に対するアドバイスも受けられます。

遺言書作成を行なったほうがいいのはどんな場合?

遺言者に相続についての意思がある場合

特定の誰かに渡したい財産がある、法定相続人以外の人物に財産を渡したいなど、遺言者が相続についての意思を持っている場合、遺言書作成をしておくべきです。
遺言書を作成しておかなければ、法定相続人同士の話し合いによって残された財産が法定相続分で分けられます。
つまり、遺言者の意思は全く反映されません。

遺言書作成をしておけば、特定の誰かに引き継ぎたい財産を名指しで相続させることができます。
また、通常の相続であれば相続の権利を持たない人物に対して財産を渡すことも可能です。
相続が開始される時に遺言者は亡くなっているため、遺言書は遺言者の意思を相続に反映させることができる唯一の方法となります。

相続人同士のトラブルを防止したい場合

遺言書で、誰に、どの財産を相続させたいかを記載しておくことは、相続人同士のトラブル防止にも繋がります。
相続は相続人同士の話し合いによって財産が分割されるため、相続が相続人同士のトラブルの原因になることも少なくありません。
親族同士でありながら、法的な場での話し合いに発展する可能性もあります。

しかし、遺言書に財産の分配を記しておけば、相続人同士で話し合いを行なう必要もなく、トラブルを未然に防止することができます。
自分の死後、財産が原因で相続争いが起きることを防ぎたいという場合、大きな効力を発揮するものが遺言書です。

相続の手続きをスムーズにしたい場合

遺言書作成をしておくことは、相続の手続きをスムーズにするためにも効果的です。
まず、相続人同士で遺産分割協議をする必要がなくなるため、大幅に相続手続きの時間が削減されます。
上記で解説したように、相続人同士が揉める可能性も低くなり、相続は円滑に進むと考えられます。

また、不動産を法定相続人以外に遺贈したい場合は、遺言書で「遺言執行者」を指名しておくとよりスムーズです。
遺言書で第三者への不動産の遺贈の意思を示し、遺言執行者の指名を行なわないと、登記申請のために法定相続人全員の印鑑と印鑑証明が要ります。
そのため、法定相続人の人数が多いと、登記申請の手続きが煩雑になってしまいますが、遺言執行者を指名しておけば遺言執行者一人で手続きを完了させられるからです。

遺言書作成をしておくことは、遺産分割協議の時間と手間を省き、不動産遺贈時の登記申請を簡易化することにも繋がります。

遺言書の種類と作成手順

自筆証書遺言

「自筆証書遺言」は自筆で作成する遺言書のことで、誰でもすぐに作成を始められ、費用も必要ないため最も手軽な方法です。

ただし、遺言書の書き方は厳格に決められているため、ルールに則った書き方をしなければ無効の遺言書として扱われてしまうことがあります。
また、手書きの文書であるため、変造や改ざん、隠匿の危険性があり、訂正の方法が複雑であるという点がデメリットです。
しかし、平成30年の法改正により、下記の通り令和2年7月10日から法務局で保管してもらうこともできるようになったため、変造や改ざんの危険性を避けるために利用できます。

法務局における遺言書の保管等に関する法律(以下「遺言書保管法」といいます。)は,高齢化の進展等の社会経済情勢の変化に鑑み,相続をめぐる紛争を防止するという観点から,法務局において自筆証書遺言に係る遺言書を保管する制度を新たに設けるものです。

出典:法務局:法務局における遺言書の保管等に関する法律について

遺言書自体は全て自筆である必要がありますが、財産目録はパソコンやワープロなどで作成しても良く、自筆でない場合は全てのページに署名と押印が必要です。
遺言書本文にも作成日と指名を自筆で記入しなければいけません。

【自筆証書遺言の作成手順】

自筆証書遺言の作成手順は、次の通りです。

  1. 相続させる財産を確認する
  2. 財産に関する資料を収集する
  3. 相続人と相続させる対象を決める
  4. 自筆証書遺言を作成する
  5. 遺言書を封筒に入れ封をして保管

自筆証書遺言の作成は、様式さえ守っていれば難しくありません。
まずは、遺言者が所持している財産を把握し、財産を明確に特定できる資料を揃えましょう。
不動産の場合は登記簿謄本、預貯金の場合は銀行名、支店名、口座番号などが必要です。
そして、どの相続人に対してどの財産を、どれだけ相続させるのかを決めていきます。

相続人と相続させる財産が決定したら、ルールに従って遺言書作成を行ないます。
遺言書の中に誤りがあると無効になるため、誤った部分は訂正をする必要がありますが、訂正方法も厳格に決められているため注意しましょう。
遺言書が完成したら、封筒に入れて封印をして大切に保管して下さい。

公正証書遺言

「公正証書遺言」とは、証人2名の立ち会いの下、公証人が公証役場で作成する遺言書のことで公正役場で保管されます。
公証人が作成する遺言書であるため、遺言書の不備や様式の誤りによって無効となることはなく、公正役場で保管されるため変造や改ざんの危険性がないこともメリットです。

しかし、自筆証書遺言と比較して遺言書作成の費用や手間があるため、手軽さでは自筆証書遺言に劣ります。
令和2年7月から自筆証書遺言が法務局で保管されるようになれば、公正証書遺言のメリットは少なくなると考えられるでしょう。
また、公証人が遺言書を作成しますが、遺言書の内容に関して提案をしてくれることはないため内容は全て遺言者自身が決めなければなりません。

【公正証書遺言の作成手順】

公正証書遺言の作成手順は、おおまかに次の通りです。

  1. 相続させる財産を確認する
  2. 相続人と相続させる対象を決める
  3. 必要書類を揃える
  4. 公証人と打ち合わせを行なう
  5. 公正証書遺言の作成

公正証書遺言の作成時も、まずは遺言者が保有する財産を把握することから始めます。
そして、全ての財産を把握できたらどの相続人に、どの財産を、どのくらい相続させるのかを決めていきます。
そして、必要書類を準備しますが、公正証書遺言を作成する場合の必要書類は次の通りです。

  • 遺言者の印鑑証明書
  • 遺言者の実印
  • 遺言者の戸籍謄本
  • 遺言者と相続人の関係性がわかる戸籍謄本
  • 受贈者の住民票(遺贈の場合)
  • 登記事項証明書(不動産の相続の場合)
  • 固定資産税評価証明書(不動産の相続の場合)
  • 銀行名や口座番号が記載された資料(預貯金や有価証券の場合)
  • 証人の氏名、住所、生年月日、職業を記載したメモ

上記の必要書類を準備したら、近くの公証人役場を探し、公証人との打ち合わせを行ないます。
打ち合わせをした後日、公正証書遺言の作成を行ないますが、作成日当日は次のような流れで遺言書作成をします。

  1. 遺言者と証人の本人確認
  2. 公証人による遺言書原案の読み上げ
  3. 遺言内容の確認
  4. 遺言者、証人、公証人の署名と押印
  5. 遺言書の正本と謄本の受け取り
  6. 公証人手数料の支払い

公証人手数料は公正証書遺言の作成当日に現金で支払いますが、公証人役場で作成した場合は3~8万円程度、出張によって自宅で作成した場合は8~15万円程度です。

秘密証書遺言

「秘密証書遺言」とは、遺言書作成は遺言者本人が行ない、遺言書に封をした状態で公証人と証人の署名と押印を受けた遺言書のことを指します。
秘密証書遺言のメリットは、遺言書の内容を秘密にしたまま、遺言書の存在のみを明らかにすることができるという点です。
また、遺言書の作成は自筆でなくても良く、パソコンやワープロによる印刷、第三者による代筆でも良いとされます。

ただし、様式や内容に不備が見られた場合、遺言書自体が無効になるという点は自筆証書遺言と同様です。
また、公証人の署名と押印を受けますが、公証役場で保管されるわけではありません。
遺言者自身が保管しなければならないため、変造や改ざんが行なわれる恐れもあります。

【秘密証書遺言の作成手順】

秘密証書遺言の作成手順は、次の通りです。

  1. 相続させる財産を確認する
  2. 財産に関する資料を収集する
  3. 相続人と相続させる対象を決める
  4. 遺言者が秘密証書遺言を作成する
  5. 公証人と証人2人に対して申述
  6. 公証人、証人、遺言者が封筒に署名と押印をする

相続させる財産を確認して、財産を特定できる資料を収集し、どの相続人に対してどの財産を、どれだけ相続させるかを決めるところまでは自筆証書遺言と同じです。
そして、決定された相続の内容を遺言書として作成し、完成したら封筒に入れ封をします。

その後、遺言書に封をした状態で、公証人と証人に対して自身の遺言書であることを述べ、公証人と証人から署名と押印を受けるという点が最大の特徴です。
公証人や証人に対して、遺言書の内容を見せる必要はないため、誰にも内容を知られることなく遺言書作成が行なえます。

専門家へ依頼する場合の選び方と費用相場

専門家の選び方のポイント

遺言書作成を依頼する場合、弁護士、司法書士、税理士、行政書士のいずれかに依頼します。
専門家を選ぶ時は、どの士業の専門家であっても「相続に対して専門知識を持っていること」が最も重要です。

弁護士、司法書士、税理士、行政書士の4つの士業は、いずれも遺言書の作成を行なうことができますが、誰しもが遺言書作成に対して専門的な知識を持っているわけではありません。
事務所によって専門とする分野は異なるため、相続や遺言書の作成に長けた専門家を選ぶようにして下さい。

もし、インターネットで専門家の事務所を探す場合には、公式サイトに「相続」や「遺言」の文言がある事務所、相続専門のページを解説している事務所、相続や遺言に関する取り扱い件数が記載されている事務所などであれば間違いありません。
また、税理士事務所であれば、相続税の相談なども行なえ、最も適切な相続の仕方をアドバイスしてくれるでしょう。

依頼する時の費用の相場

依頼する時の費用の相場は、士業の種類や事務所によって異なりますが、おおよそで次の通りです。

  • 弁護士事務所 約20~300万円
  • 司法書士事務所 約7~15万円
  • 行政書士事務所 約7~15万円
  • 税理士事務所 約5~10万円

作成を希望する遺言書が自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言のどれなのか、どのような内容で作成するのかという点で多少料金が異なることはあります。

しかし、費用を抑えて遺言書を作成したい場合は、相続を専門とする税理士事務所に依頼するのが一番です。

税理士事務所に依頼をした場合、作成時の費用を抑えられるだけでなく、相続税の節税方法についても相談できるため、法定相続人への負担を軽減させることにも繋がります。

遺言書を確実に残すためには専門家に相談を

遺言書は、遺言者が相続に対する意思を残せる唯一の手段であり、相続人同士のトラブルを回避し、相続をスムーズに行なわせるためにも有効です。
遺言書には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類がありますが、自筆証書遺言や秘密証書遺言は、遺言者自身がミスなく作成しなければならないため慎重さが求められます。
また、公正証書遺言も、公証人が遺言書の内容に関して提案してくれることはありません。

そのため、無効になることなく、質の高い遺言書を作成するためには専門家に依頼することが最善です。
遺言書作成のための費用を抑えられ、相続時の節税に対するアドバイスも受けられる、相続専門の税理士への相談をおすすめします。

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