遺言執行者とは、遺言の内容を実現する為に必要な行為や手続をする人のことです。
遺言執行者は相続人の代理人とみなされ(民法1015条)、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができないとされています(民法1016条)。
遺言執行者になれる人
遺言執行者は、未成年、破産者以外であれば誰でもなることができます。
友人、知人、相続人から選ぶこともできますが、相続財産の分け方では財産の分け方を巡って紛争になることもあります。
このため、弁護士や司法書士、税理士をはじめとする専門家に依頼することで、相続の紛争を避け、スムーズな遺言執行が可能になることもあります。
遺言書に遺言執行者が記載されていない場合
以下のような場合、家庭裁判所で遺言執行者の選任手続きを行うことなります。
但し、相続手続きをする機関(銀行や法務局等)によっては、遺言執行者の指定をする必要がない場合もあります。事前に関係各機関に確認をしてから手続きをするとスムーズに相続手続きが進みます。。
・遺言書内で遺言執行者が指定されていない場合
・指定された遺言執行者がすでに亡くなっている場合
・指定された遺言執行者が辞退した場合
養子は、養子縁組の日から子として取り扱われます。実子は生まれた日から子であるといえますが、養子の場合は養子縁組前は子として取り扱われません。そのため、養子縁組前に養子の子が生まれていた場合は孫として認められないので、代襲相続人にはなれません。
また養子縁組には”特別養子縁組”と”普通養子縁組”の2種類があり、相続税を計算する上で取り扱いが異なります。
~相違点~
①法定相続人の数・・・”普通養子”の場合は、実子がいる場合には1人、実子がいない場合は2人まで数に含める。”特別養子”の場合は制限なし
②二重身分・・・”普通養子”の場合は養親とも実親とも親子関係があるため、孫を”普通養子”とすると、子(養子)として相続人、孫(実孫)として代襲相続人となりえるため、法定相続分に影響する
遺言は、故人が自分の死後に行われる相続について生前に”意思表示”しておく方法です。具体的には自己の財産を”誰に””何を””どれだけ(金額)”あげるかを指定することです。一般的には広く形式にとらわれず作成されているのですが、法的な効力があるかどうかは、”民法に定める方式に従っているか”が重要になります。
~民法に規定する遺言の種類(一部)~
①自筆証書遺言
・遺言の全てが本人の自筆であること(代筆やパソコン等による作成は認められません)
・作成日と氏名の記載があること(最後の日付のものが有効になります)
・押印があること
・相続開始後に家庭裁判所で検認してもらうこと
②公正証書遺言
・2名以上の証人のもと、公証役場にて、本人が遺言内容を口述して、公証人が証書を作成する
・証書の原本は公証役場に保管され、正本・謄本の交付を受ける
~注意~
意思能力のない者による遺言や公序良俗に反する遺言は無効になります。また、認知症などにより意思を明確にできないものに”遺言を書かせる”行為は、無効となるだけでなく、相続権の剥奪(欠格)になることがあります。